惠以子抄 あれこれと手を拡げて来たつもりでいたが、妻に死なれてみて初めて、自分がほんの小さな輪の中でしか生きて来なかったのを痛感した。老いた兵卒はただ消えて行くだけだ。 安藤元雄 安藤元雄 1934年東京生まれ。詩集『樹下』『わがノルマンディー』(藤村記念歴程賞・詩歌文学館賞受賞)『フーガの技法』『めぐりの歌』(萩原朔太郎賞受賞)『カドミウム・グリーン』『夜の音』(現代詩花椿賞受賞)『この街のほろびるとき』『水の中の歳月』(高見順賞受賞)『イタリアの珊瑚』『椅子をめぐって』『船とその歌』『秋の鎮魂』、集成詩集『安藤元雄詩集集成』『現代詩文庫・安藤元雄詩集』『現代詩文庫・続安藤元雄詩集』、詩論『フランス詩の散歩道』ほか、翻訳に『シュペルヴィエル詩集』ボードレール『悪の華』マラルメ『折りふしの詩句』、『フランス名詩選』(共訳)ベケット『モロイ』『名づけ得ぬもの』、グラック『シルトの浜辺』『アルゴールの城』ほか多数がある。 |
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鈍く光る鉄板の上
灰にまみれて横たわる
僅かばかりのおまえの骨を私は見た……
無力感の底をさまよう悲しみの歌
A5変 80ページ 3300円(本体3000円+税) 装幀=亜令+中島浩 ISBN978-4-86725-026-6 C1092 \3000E
![]() | 水辺の記憶 コロナ禍を機に詩を書くことを再開しました。気がつけば四半世紀以上が過ぎていたのです。そのあいだに――数式を忘れコルク栓がとびはねて百貨店が火事になり草の中で卵がひとつ孵りました――わたしにとってそんな一瞬でありました。 小見さゆり
小見さゆり 1959年群馬県生まれ 中央大学卒。小説「悪い病気」で平成3年(1991年)度中央公論新人賞受賞。著書に『25オンスの猫』(1993年・白水社/オノデラユキとの共著) |
日々を鎮かに逆転させる言葉たち――そこに
は何かが刻印されていたのだろうか。ほの白
い草の菓影に静まりかえった道端を転がり下
るものがある。細い母の声が音なく谺する。
A5変 114ページ 2860円(本体2600円+税) カバー装画=福島世津子 ISBN978-4-86725-025-9 C1092 \2600E
黙然をりて 言葉を失うとき、言葉を奪われるとき、言葉が消えるとき。言葉のない世界をつつむ空の記録が『黙然をりて』である。セルビア、南イタリア、日本の旅の記憶をそっと重ねた。 山崎佳代子 山崎佳代子 1956年生れ、静岡市に育つ。81年よりセルビア共和国ベオグラード市在住。日本語による詩集に『海にいったらいい』『みをはやみ』『アトス、しずかな旅人』『秘やかな朝』『薔薇、見知らぬ国』『産砂RODINA』『鳥のために』、日本語による著作に『パンと野いちご』(紫式部文学賞)『戦争と子ども』『ベオグラード日誌』(讀賣文学賞)『そこから青い闇がささやき』『ある日、村は戦場になった』『解体ユーゴスラビア』、日本語への翻訳作品にダニロ・キッシュ『庭、灰』『死者の百科事典』『若き日の哀しみ』イボ・アンドリッチ『イェレナ、いない女』(田中一生・山崎洋との共訳)、ほかにセルビア語による詩集・翻訳詩集・研究書など。 |
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懐かしい声がした…
何ひとつ持たず
此処へおいで
モダオリテ/黙したままいる。
じっと耳をすましつづけている。
――去っていったものたちの足音…
やってくる時たちの羽音…
A5変 130ページ 2860円(本体2600円+税) 装画=カタリーナ・ザリッチ 装幀=扉野良人 ISBN978-4-86725-024-2 C1092 \2600E
![]() | 中空 長い年月のあいだに起きた3・11でバラバラになった詩語を支える草木花の俳句。詩も句も、身も心も、時空間の「中空」あたりをさまよい、すこしばかりのユーモアをただよう。 鍵岡正謹 |
大きな災厄をこらえこらえてくぐりぬけた
かと思う。中空を月がふらりとゆく。そし
てまた地をおおう災……少しばかりのユー
モアを盾にみたてて、ふりかざしてみる。
B6変 215ページ 3300円(本体3000円+税) 装画=鍵岡正謹 ISBN978-4-86725-023-5 C1092 \3000E
黯(くら)らかな静寂(しじま)、すべて一滴の光 暗闇に開く瞳にすべてが茫漠となる世界で[わたし]の輪郭が失われてゆくとき、ページに残留する文字は何を映すのか。第一詩集で描いた哀音を一縷の光に託す一冊。 奥間埜乃 奥間埜乃 1975年、東京生れ。詩集『さよなら、ほう、アウルわたしの水』 |
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夜、眩暈、そして耳鳴り――
人称の混濁の底へと沈んでゆく[わたし]。崩壊はしない
――覚えておいてハニー、あれが日付変更線よ
A5変 118ページ 2860円(本体2600円+税) ISBN978-4-86725-022-8 C1092 \2600E
![]() | 経験の定義あるいは指の痛み 一回限りの経験であっても、人生においてそれは常に変化更新されてゆく。喜びや痛み、親しい人の死などを通して、人生の意味を再発見し、再び生き直す。それは詩そのもの。 新延拳
新延拳 1953年生れ。詩集『虫を飼い慣らす男の告白』『わが流刑地に』『背後の時計』『永遠の蛇口』(更級源蔵文学賞)『雲を飼う』『わが祝日に』『百年の昼寝』『蹼』『紙飛行機』 |
罐蹴りにも飽きて…陽のあたたかみが残っ
ているブランコ…少しこいでみる、ゆれて
きしむ音…迷い仔犬…かたっぽだけ落ちて
いる手袋…ホケットの中の木の実…そう…
私はただここにいる
生身の自分として
等身大の哀しみとして
A5変 102ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-86725-021-1 C1092 \2500E
羊歯の谷間に 前歌集『蛹の見る夢』発刊後から最後となる入院の直前まで書きつがれた遺稿歌集。生きることへの信頼と深い愛、またそれゆえの苦悩と惜別の哀しみを短歌の言葉に仮託する。 編集部 相澤啓三 1929−2021。詩人・歌人・エッセイスト。歌集『羊歯の谷間に』『蛹が見る夢』『音叉の森』『光源なき灯台』『風の仕事』、詩集『冬至の薔薇』『交換』『マンゴー幻想』(高見順賞)『孔雀荘の出来事』『五月の笹が峰』『沈黙の音楽』『罪の変奏』『眼の殃』『ミス・プリーのとろけもの園遊会』『墜ちよ少年』『裸のままの十の詩その他の詩』『肉の鋏』『声の森・氷の肋』『北方』『狂気の処女の唄』、エッセイに『オペラ・アリア・ベスト101』『オペラ知ったかぶり』『音楽という戯れ』『そして音楽の船に』ほか、詩画集『悪徳の暹羅双生児もしくは柱とその崩壊』(画=建石修志)など。 |
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わかれがたい想いをいだいて、
おもむく。
生きる時をいとおしむ。
きみとともに歩き回りしはうつつともピラネージのローマ遺跡とも過ぎては思ふ
眩しくも羊歯の谷間にわたる風のあるかなきかに昨日(きぞ)は顕ち来る
腕をからげ合ひしか わらびの少年らその残像はかたくほぐれず
高原から高原へと尾根路行く散骨人(びと)は虹に包まる
A5変 158ページ 3080円(本体2800円+税) 装画=建石修志 ISBN978-4-86725-020-4 C1092 \2800E
![]() | からすのえんどう 五冊目の詩集を送り出します。過保護にはしません。ひとりで出来るだけ遠くまで歩いて行きなさい。言葉を疑いつつ、言葉でしか届けられないもののために。 阿部はるみ |
輪ゴムが
路上に落ちている
三日前と同じところに―記憶の深みから浮上する、
その一瞬。整序することの困難な無数の瞬間。けれ
ども忘失を拒むいくつかの情景たち。透徹するまな
ざしとやわらかな情念だけがそれに気付くのだろう。
A5変 102ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-86725-019-8 C1092 \2500E
息の重さあるいはコトバ五態 コトバ・ことば・言葉。言葉に囚われながら、詩を書こうとジタバタしているうち、自分でも思いもよらぬところまで連れて来られたその場所は、意外にも見晴らしの良い場所でした。 服部誕
服部誕 1952年、兵庫県芦屋市生れ。詩集『そこはまだ第四砂岩層』『三日月をけずる』(第一四回三好達治賞)『右から二番目のキャベツ』『おおきな一枚の布』『空を飛ぶ男からきいたという話と十八の詩篇』『首飴その他の詩篇』、ほか。 |
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風が吹き霧が立ち
少年を世界から遠ざける
通りすぎてゆく少年
永遠に歩きつづけるもの
思索の周縁をゆっくり旋回する。いく
つもの中心をみつけ、みつめ、めぐる。
A5 104ページ 2750円(本体2500円+税) 装画=石阪春生 ISBN978-4-86725-018-1 C1092 \2500E
![]() | 匙 事故が起きれば三十キロ圏内となる私達は、この夏も空を見上げれば雲ひとつない真っ青な空だ。近くには大小の川が豊満な水を湛えて合流し、畑の作物は食べきれないほどよく実っている。 青山雨子
青山雨子 1961年福井県武生市生れ。詩集『冷麵』『東京ベースボール』『ナポレオン食堂』『芭蕉』『レモン』『白い地図』『暇な喫茶店』『階段のさき』、評論『朝鮮と則武三雄』、編著『則武三雄詩集「赤い髪」』 |
いないと思ったら
ここにいると思ってくれ
生きている姿は見せない
見せないが
どこかにいる
くずれていく
くずれていく
波
A5変 106ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-86725-017-4 C1092 \2500E
眠れる花 ある夜、6本指になる夢を見た。/自分の体の一部なのに、自分の思うようには動かせない、/もどかしい6本目の指。/思い切ってナタを振り下ろしたら、/切り裂くような悲鳴をあげて、鮮血が飛び散った。//真っ赤に染まった5本指は私。/切り落とされた6本目の指は誰?//そんな風に、痛みで私たちは繋がっている。 村岡由梨
村岡由梨 1981年生れ。セルフポートレートにこだわった自作自演の映像・写真作品などを制作。オーバーハウゼン国際短編映画祭グランプリなど内外で受賞多数。統合失調症の治療に伴い作家活動を休止したが2016年に再開。2018年から詩作を始める。 |
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A5変 204ページ 2970円(本体2700円+税) 装画=一条美由紀/鈴木眠 写真=村岡由梨 ISBN978-4-86725-016-7 C1092 \2700E
![]() | 雨に翳り 雨が降っていた。草叢が濡れていた。長靴が縺れあった。「てめえのせいだ」と言った。草叢に倒れこんだ。「てめえのせいだ」と言っていた。 大高久志
大高久志 1959年生れ。詩集『空に映す』 |
人が生きようとしていた。暗い夜にとぼしい明かりを灯し
て。もがき、身をよじり、そぼふる雨の中を歩きつづける。
歩きつづけようとしている――雨はあがるかもしれない。
A5変 110ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-86725-015-0 C1092 \2500E
「メランコリア」とその他の詩 2部構成の詩集です。立ち去る女の後姿を追って世界中を旅する男のエピソード12篇を集めたのが前半の「メランコリア」。他には2歳の時の詩から最新作まで10篇を気ままに並べた。 池澤夏樹
池澤夏樹 詩人・作家・批評家。1945年、帯広生れ。東京・アテネ・フォンテーヌブロー・沖縄知念村・札幌などに住む。詩に関る著書に、詩集『池澤夏樹詩集成』『この世界のぜんぶ』『最も長い河に関する省察』『塩の道』、詩についてのエセー『詩のきらめき』、詩の翻訳に『カヴァフィス全詩』ほか。小説『ワカタケル』『花を運ぶ妹』『マシアス・ギリの失脚』『スティル・ライフ』ほか、エセー『みっちんの声』『星界からの報告』『楽しい終末』『増補新版・ギリシアの誘惑』など、編纂書に『池澤夏樹個人編集・世界文学全集/日本文学全集』など、翻訳にダレル『虫とけものと家族たち』サン=テグジュペリ『星の王子さま』など。 |
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視界の隅をかすかに揺らし遁げてゆく気配
ぼくは追う…気配はまた遁げてゆく
すっくと立つ樹に吹きよる風
ひるがえる葉裏から若い光が
たわむれ遁げてゆく
心という砂漠の井戸から
詩のための水を汲む
A5変 78ページ 2640円(本体2400円+税) ISBN978-4-86725-014-3 C1092 \2400E
![]() | フランチェスカのスカート ある日突然「フランチェスカのスカート」ということばが降りてきた。それにつれて、どこか見覚えのある世界が少しづつ姿を見せ始める。後はそれを記述する行為があるだけだった。 高柳誠
高柳誠 1950年、愛知県名古屋市生れ。詩集に『無垢なる夏を暗殺するために』『放浪彗星通信』『月の裏側に住む』『光うち震える岸へ』『半裸の幼児』『塔』『樹的世界』『アダムズ兄弟商会カタログ第23集』『都市の肖像』(高見順賞)『卵宇宙/水晶宮/博物誌』(H氏賞)ほか、集成詩集に『高柳誠詩集成』��、��、��ほか、詩画集に『月光の遠近法』(画=建石修志)『触感の解析学』(画=北川健次)『星間の採譜術』(画=小林健二)(以上3冊で藤村記念歴程賞)、エッセイに『詩論のための試論』など。 |
かけてゆく少年
星降る丘にのぼり
父の星、母の星のまたたきをみつめる
ひとりぼっちの少年。
どことも知れない遠くから届く叔父さんの手紙。
しずかに空から舞い落ちてくる夢の種。
少年は朝の光が影をつくる街へと
また、かけだしてゆく。
誰のものとも知れない記憶を
しっかりと胸に抱いて…
A5変 140ページ 2860円(本体2600円+税) 装画=勝本みつる ISBN978-4-86725-013-6 C1092 \2600E
奈良に吹く風 残照によばれたる葉はうらがへりとりかへしつかぬこともかがやく―渡辺松男/癌を抱えて生きている私はもうすぐ呼ばれる日の近い一枚の葉っぱである。再発を知った時、治療をせず普通の暮らしをする道を選んだ。詠み人知らずの「俳句」として奈良の風景を楽しんでいただければ嬉しい。 服部由貴
服部由貴 1942年生れ。奈良県在住。句集『月夜のこゑ』 |
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松影を踏み尼寺の雛を見に
徐々に私の心の奥に浸潤してきた句。
やさしく手をひかれるままにしばらく
ついてゆくと、そこに不思議な景がひ
ろがっているといった印象。此の世と
彼の世の境を踏んだか。―――中田剛
お山焼白毫寺から手伝ひに
お水取り生駒の竹も運ばるる
塔いつもゆふぐれのいろ初桜
朝早くささゆり届く開山忌
二の鳥居より虫の闇はじまりぬ
綿の花橘寺も荒れにけり
B6変略フランス装 82ページ 2200円(本体2000円+税) 帯=中田剛 ISBN978-4-86725-012-9 C1092 \2000E
![]() | 朝 目が覚めると朝が来ていた。/私は朝が大好きです。/オーイ朝よ、どうしてそんなに早く目覚めることが出来るんか。 朝倉勇
朝倉勇 1931年生れ。詩集『散骨の場所』『みてみたい みたい』『田園スケッチ』『鳥の歌』(丸山豊記念現代詩賞)『麻布仙台坂の日曜日』『神田川を地下鉄丸の内線電車が渡るとき』『鬼の蟲』『十月の幕』『旅の写真と詩の旅と』『わが街』『掟』(第一回ユリイカ新人賞)、詩画集『女のひとと鳥』(画=脇田和)、童話『ポールと小鳥』 |
水辺のしめった土の上に
ちいきな足あとがついています
鳥が歩いていったのですね
百グラムほどの重みを
地球は感じてあげていたのですね
朝はやく
A5変 92ページ 2750円(本体2500円+税) 栞=高橋順子 装画=朝倉勇 ISBN978-4-86725-011-2 C1092 \2500E
間氷期 俳句――意識のきらめきを十七文字に書きつける。端正と放逸との間、在と非在との間を、コトバの粒子が光り飛び交い、意識にかたちを与える。それは祈りにも似た営みである。 是永舜
是永舜 舜は俳号。本名は駿。1943年福岡生れ。大阪在住。詩集『穏やかな剝離』『宙の上』、訳書『北島(ペイタオ)詩集』『戈麦(ゴーマイ)詩集』『芒克(マンク)詩集』(第29回藤村記念歴程賞受賞)、共訳書に『現代中国詩集』『台湾現代詩集』ほか、著書『茅盾小説論』ほか。 |
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童子ふたり梅の林に遊び消ゆ
荒くれの雛の間に入る忍び足
行く春や子猫の骨のか細さよ
うたれ哭けやさしき夏の雨脚に
麦揺れてゐる少年の日の吐息
海月知る海鼠の恋や間氷期
冬鷗ヒトの萎びた背を嘲ふ
俳句が映す宇宙
四六変 146ページ 2860円(本体2600円+税) ISBN978-4-86725-010-5 C1092 \2600E
![]() | Works あなたは長い長い悲鳴を上げる。その残響が消え去るのを待って、僕はあなたのつめたい髪に触れ、あなたのはじめての言葉を聞き取ろうとあなたの唇を見つめ続けた。(作品「Bloody」より) 朝妻誠
朝妻誠 1961年、鳥取県生れ。本詩集は著者の第一詩集である。 |
これは第一詩集。
だが彼はもうずっと前から、女あるいは少女の姿を
した“詩”に拐われ、こわれたオルゴールの櫛歯の
ように繰り返しあらわれては消えることばを追いな
がらどこにもない街をさまよっていたのではないか。
魂の彷徨をたどる散文詩集――川口晴美
A5変 56ページ 2640円(本体2400円+税) 帯=川口晴美 ISBN978-4-86725-009-9 C1092 \2400E
白石かずこの世界――性・旅・いのち 声なきもの、尊厳を傷つけられた語らぬもの、歴史の闇に置き去りにされたものたちを道連れにして、性と生命の根源への旅を続ける女性ユリシーズ、白石かずこの表現世界をたどる。 水田宗子
水田宗子 1937年生れ。詩人。女性の生を考究する文学評論家。評論・エッセイに『詩の魅力/詩の領域』『大庭みな子 記憶の文学』『モダニズムと〈戦後女性詩〉の展開』『尾崎翠と「第七官界彷徨」の世界』『女性学との出会い』『二十世紀の女性表現 ジェンダー文化の外部へ』ほか、詩集に『音波』『水田宗子詩集』『青い藻の海』『帰路』ほか、詩画集『うさぎのいる庭』ほか。 |
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コトバ――
出逢う。交わる。
いだく。生きる。
白石かずこは、ひとりの人間であり、詩人である――迷い、もがき、突進する。
奔放な言動で袋叩きの目にもあう。けれども生きる。抗いつづ
ける。表現することをやめない。地球の遠い片隅まで身をはこ
び、手放してはならないものを劇しく見つめ、ふるえる息づきと
鋭い歓びと際限のない苦悶を人たちとともにする。その心の共
振だけを唯一の頼りとして、コトバを繰り出し、生をいとおしむ。
白石かずこは第二次世界大戦敗戦後からの日本現代詩
を代表する詩人の一人である。女性詩人の一人である。
その事実を出発点に、白石かずこの詩世界・表現行為に
伴走し、その思考と蛮勇ともいえる生き方に同行する。
四六変 240ページ 3080円(本体2800円+税) カバー写真=白石由子 ISBN978-4-86725-007-5 C1095 \2800E
![]() | 庭園考 もの言わぬ植物の、けれども賑やかな生命の時間を見つめて記す。陽をむかえ、月を見おくる位置に佇ち、庭の時空を自在に行き来するとき、今ここに在ることを愛おしむ祈りの音楽が聞こえる。 塩嵜緑
塩嵜緑 大阪生れ。「アリゼ」同人。詩集『そらのは』『魚がきている』 |
どうして人はそこでふと足を留め、たたずむのだろうか。古来から。そして
昨夜も陽のさしはじめた今朝も。聞こえていなかったかすかな声が耳をそっ
ととらえ、見てはいなかった枝葉の陽が目にとどく―なにもなにも
なかったように
葉影が揺れている
A5変 104ページ 2750円(本体2500円+税) 装画=片山みやび ISBN978-4-86725-006-8 C1092 \2500E
紡錘形の虫 全ては過去からやってくるのに、今、目の前で生じたと思える現象。時間の速度変換をして回転させ、弾けて飛んできた言葉を詩集に並べ、今、眺めています。 いのうえあき
いのうえあき 1949年1月、兵庫県明石市舞子生れ。同志社大学大学院英米文学前期課程修了。英語教師。本詩集は著者の第一詩集である。 |
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いのうえあきという詩人は、空間を詩に変えることができ
る稀有な能力の人である。ポエジーはどこか彼方や天空や
地下や無意識にあるのではなく、いまここの空間に隠れ、
潜んでいるのだ。それをつぎつぎと明るみに出してゆく。
―――野村喜和夫
A5変 144ページ 2860円(本体2600円+税) 栞=野村喜和夫 ISBN978-4-86725-005-1 C1092 \2600E
![]() | 二十歳できみと出会ったら 「おれ」と「ぼく」は壮年期から初老期を迎える。過ぎ越してきた道を振り返ればアレに祟られるから、前を向いてまだこれからのはずだと足掻く。ふるい女とあたらしい恋をしようと思う。 高啓
高啓 1957年、秋田県生れ。山形市在住。詩集『午後の航行、その後の。』『女のいない七月』『ザック・デ・ラ・ロッチャは何処へいった?』『母を消す日』『母のない子は日に一度死ぬ』 |
風が吹いているよ―――ほんとうは目をつぶって頬に風を感じることが好きだっただけなのかもしれないのに、険しい表情をつくって駆け出してゆくものを追っている。どこに行きつくのだろうか。風が吹いている。
A5変 110ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-86725-004-4 C1092 \2500E
春と豚 日常そのものと、それらの混乱をまるごと、しとしとと書き綴った。かけがえのない一瞬を拾い集めて、言葉になるようでならない、わがことながらおぼつかない思いと格闘した。 生駒正朗
生駒正朗 1968年、茨城県笠間市生れ。本詩集は第一詩集である。 |
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セミの亡骸が転がっている
何者かがここを通り過ぎていった――
何の変りもなく、うららかであるべき日々の片隅に
潜む穏かならざる陰り。小さなつむじ風のなかを、
痛みに似たものをこらえながら、ひとり歩いてゆく。
……強い嵐になっていた
A5変 102ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-86725-001-3 C1092 \2500E
![]() | そこはまだ第四紀砂岩層 大地震が起こり、会社を辞め、詩を再び書きはじめて十年が経った。四冊目の詩集は、原発事故からパンデミックまでの十年の、ソネットによる夜毎の思索と試作と詩作の記録。 服部誕
服部誕 1952年、兵庫県芦屋市生れ。詩集『三日月をけずる』(三好達治賞)『右から二番目のキャベツ』『おおきな一枚の布』『空を飛ぶ男からきいたという話と十八の詩篇』『首飴その他の詩篇』 |
小舟に乗った釣り人たちが
釣り糸をあげては天を仰ぎため息をつく……
日々のあれこれを磊落にいなしながらも、悲哀と
断念に顫えもする言葉たち。十四行の詩句にこめ
られて、どこまでも付き添ってくる嗟嘆のこだま。
A5 72ページ 2640円(本体2400円+税) ISBN978-4-86725-003-7 C1092 \2400E
ノート/夜、波のように 15年ぶりに詩集を出します。空白の長さに我ながらあきれますが、眠れない夜を素材に書き留めていたものをまとめました。年月とともに変化した夜のかたち、夢のかたちです。 糸井茂莉
糸井茂莉 1955年、千葉県生れ。詩集『アルチーヌ』『しれーぬ、その他の詩篇』『夢の水槽』、訳書(石川清子名による)にベンギギ『移民の記録』クノー『イカロスの飛行』ジェパール『愛、ファンタジア』ジェルーン『不在者の祈り』 |
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幾つもの不穏な夜をくるみ、幾つもの訪れない眠
りからにじみでる――白い夢の記述。ちがう。白
い記述の夢。ちがう。……夢の白い記述/気の遠
くなるほどに甘やかな献立の白日夢をひきつれて。
A5変 130ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-86725-002-0 C1092 \2500E
![]() | 水底の 窓の灯りがともり 本書は詩人と版画家による作品集です。詩人・峰岸了子は私の母親です。2018年に17篇の詩を書き残し永眠しました。版画家の私はそれらの詩からイメージを膨らませ作品を創りました。 峰岸伸輔
峰岸了子 1944−2018。詩人。峰岸伸輔との詩画集に『水底の 窓の灯りがともり』『森に吹く風 あるいは 声』『夢みる卵と 空の青』『私の神は』『過去からの手紙』、詩集に『ことばあそび』『いつしか風になる』『かあさん』『恋文みたいに』『三月の溺死』『たかが詩されど詩』『未知の季節に生きるのは』『習性のためのデッサン』『さらにもうひとつの朝が』、絵本『ねことママレード』、アンソロジー『Continuation of Tomorrow 明日の続き』ほか。 |
行ってしまう人。
残りつづける人。
風が樹々を揺らす。
光が水底でためらう。
うずくまり、
そして、
翔びたつ、
思い。
B5変 116ページ 峰岸伸輔木口木版30点を全2色刷り印刷再現 3300円(本体3000円+税) ISBN978-4-87996-999-7 C1092 \3000E
あかるい水になるように コロナの年に――はからずもそういう巡り合わせになりました。暗さのなかから明るさを、そして明るさのなかで暗さを、見る。そんな一冊になっていればと思っています。 岬多可子
岬多可子 1967年生れ。詩集『飛びたたせなかったほうの蝶々』『静かに、毀れている庭』(小野市詩歌文学賞詩部門)『桜病院周辺』(高見順賞)『花の残り』『官能検査室』 |
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夜のみっしりと重い庭――闇の底を、身をよじ
りながら這っていくもの。遠いほうへ、灯りの
ともる遠いほうへと。それぞれに 自分の傷を
痛んでいる一一草の傷から流れ落ちるひとしず
く……いつかずっと先 あかるい水になる……
A5変 116ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-86725-000-6 C1092 \2500E
![]() | 詩は戦っている。誰もそれを知らない。 2018年以降に発表した詩論や詩書・詩論時評によるクロニクルです。戦後詩的「反復強迫」の解除、「自然」の再定義、震災・原発事故の傷痕の内在化などの課題に迫ります。 宗近真一郎
宗近真一郎 1955年、大阪生れ。著書『柄谷行人 〈世界同時革命〉のエチカ』『リップヴァンウィンクルの詩学』(第9回鮎川信夫賞)『パリ、メランコリア』『ポエティカ/エコノミカ』『反時代的批評の冒険』『消費資本主義論』(共著)『ゼロ・サム・クリティック』『水物語に訣れて』 |
けっこうな難路であるようだ。雨空の電線
に深紅のリボンが結ばれている―「詩」が
書かれる。現れ出でるものがあり、読む者
に届こうとする。読者は何を受け取るのか。
詩と思考が手さぐり行く隘路に伴走し、そ
の支えの無い宙空をかきわける現場記録。
詩の
「いま・ここ」
を問う
問い尽くす
詩の「いま・ここ」と全身で向き合い、「戦後詩」とい
う拘束、「自然」の再定義などの課題をめぐり、現代思
想や映画とのクロスオーバーを重ねるクロノロジー。
詩と世界の偶有性に目をそむけず、詩の言葉と世界の
ありようの必然的相互性をつねに択びなおしてゆくこ
と――それだけが、隠された戦いへの回路ではないか。
四六 358ページ 3300円(本体3000円+税) ISBN978-4-87995-997-3 C1095 \3000E
あけぼの杉の竝木を過*ぎて(*点1つではなく2つ) 本書校了の直後に帯状疱疹に罹った。しかも緊急事態下の連休中で医療関係が機能していず、誤った薬の副作用で五日間生死の間を呻吟うことに。まさに命懸けの一冊である。 石井辰彦
石井辰彦 1952年横浜生れ。歌集『逸げて來る羔羊』『ローマで犬だつた』『詩を弃て去つて』『蛇の舌』『全人類が老いた夜』『百花殘る。と、聞きもし、見もし…』(西山美なコとの共著)『海の空虚』『バスハウス』『墓』『七竈』、撰集『石井辰彦歌集』、評論『現代詩としての短歌』 |
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独り歩を運び、抑えがたい叫びをのみこむ
石井辰彦
涸れもせず尽きもせぬ、なげきのぞみうれい。
沈むとも捨て置け艀船(はしけ) 満載の積荷はただの人間**だから/流星雨、地に降りしきる。枯ればみし心を少しだけ入れ換へる/白みゆく空***を見上げる。泣きながらあけぼの杉の竝木を過*ぎて/
*しんにょうの点ふたつ **門構えのなか日ではなく月 ***穴冠の下部が八
四六変 154ページ 3080円(本体2800円+税) ISBN978-4-87995-998-0 C1392 \2800E
![]() | 虛明 宇宙の変幻する関係性の中で一瞬光って消えてゆく存在でしかない人間は、古来せめても飛去(ひこ)しつつ飛去せざる時の記憶にすがり、空しい営為と知りつつそれを象ることで己の慰めとしてきた。 伊藤勳
伊藤勳 1949年、岐阜県生れ。詩集『風紋』『一元の音』『流光』、翻訳ロセッティ詩集『いのちの家』ベンソン『ウォルター・ペイター』他、評論『ペイター藝術とその変容』『英国唯美主義と日本』『加藤郁乎新論』、編訳『加藤郁乎英訳百句選』ほか。 |
時間のゆがみに沿って
思わぬ刹那に
飛去したと見えていた記憶が
言葉となって飛来する
何をも抱かぬと思いなしてはいても
虛ろではなかった心の水面に
波が奔る
菊変 128ページ 2970円(本体2700円+税) 題字=手島𣳾六 ISBN978-4-87995-996-6 C1092 \2700E
柄沼、その他の詩 たとえば 枯葦の生い茂る沼のほとりで 梢にジュクジュクと呟き 歌う鳥の声を聞く時 喪われたもの 奪われ消え去ったものへの思いが 空をおおう雲の裂け目からのぞく 柄沼の沼の面に 阿部宏慈
阿部宏慈 1955年、宮城県生れ。著書『プルースト 距離の詩学』、訳書ミシェル・セール『カルパッチョ 美学的探究』ミレイユ・ビュイダン『サハラ ジル・ドゥルーズの美学』ジャック・デリダ『絵画における真理』上・下(共訳) |
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枯葦だけが揺れる沼。その水面を漂い来るもの――
あしおと、ささやき、なげき。往ってしまうもの、去
ってしまったものたちの背姿。葦の葉が触れた指先
の傷が疹く。いのちの揺らぐ影を託そうとするのか。
菊変 206ページ 3080円(本体2800円+税) ISBN978-4-87995-995-9 C1092 \2800E
![]() | 至高の妄想 ヒカシューというバンドを四〇年続けてきて、はじめての詩集です。もともと歌の詩でありながら言葉がひとり歩きもできるように書いてきました。この度一冊の本になることは感無量です。 巻上公一
巻上公一 1956年、熱海生れ。ヴォーカリスト、ヒカシューのリーダー。著書にエッセイ『反響マシーン:リチャード・フォアマンの世界』(共著)『声帯から極楽』『宇宙の右翼、水中の左翼』、アルバムに『ヒカシュー 21世紀ベスト』『ヒカシュー 20世紀ベスト』『生きてこい沈黙』『万感』『うらごえ』『転々』『はなうたはじめ』『丁重なおもてなし』『人間の顔』『夏』『ヒカシュー』など。 |
はじめっからことばが意味を道連れに音
楽してるから、読んでると愉快になる。
悪戯っ子みたいに自由な、思いがけない
現代詩の登場だ!―――谷川俊太郎
「ヒカシュー」の詩
1979年にシングル「20世紀の終りに」でデビューしてから
40年、ヒカシューは時代の最先端を疾走するバンドであり続
けている。その音楽の独創性が多くの人々を捕えてやまない
ことは言うまでもないが、リーダ一巻上公一の刺激的な歌詞
=詩を忘れてはならない。現代詩として読まれるべきそれら
の作品を一冊の本の形で全ての詩を愛する読者にお届けする。
B6変 216ページ 2970円(本体2700円+税) 付録=町田康 帯=谷川俊太郎 ISBN978-4-87995-994-2 Cl092 \2700E
スペイン―謎の台地 50数年前、イベリア半島の赤土の台地は〈死〉を現していると感じられた。それから台地と闘い始めた。何としてもウナムーノの街サラマンカに行く。やがて私は〈生の喜び〉をも摑み始めた。 齋藤康子
齋藤康子 1946年、埼玉県川越市生れ。長くミゲール・デ・ウナムーノの研究に携わる。日本イスパニア学会、法政大学哲学学会、サラマンカ・ウナムーノ協会会員。 |
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ウナムーノが見ていたものを追体験すべく、
サラマンカへと通い続けた50年―――いく
つかの奇妙な出来事の隙間からほの見えて
きた精髄をわれわれは何と名づければよい
のだろうか? ――旦敬介
〈永遠に生きたい!〉スペインの思想家の言葉が若い学徒の心に
刺さった。何だろう、これは? そんなことが不可能なくらい子
供でも知っている。生きることを考察する哲学者ともあろうもの
が、なぜこのような言辞を吐くのか…そして彼女はスペインに旅
立った――その地で起こるさまざまのこと。謎は解けるだろうか。
四六変 140ページ 1980円(本体1800円+税) ISBN978-4-87995-993-5 C1095 \1800E
![]() | 素晴らしい低空飛行 操縦棹を握りしめ危ういバランスで飛ぶ低空飛行。やみくもに離陸した若者は、運と組み討っていまも飛んでいる。いつかは墜落する身…けれど行けるところまで行くつもりで。 阿部日奈子
阿部日奈子 1953年生れ。詩集『キンディッシュ』『海曜日の女たち』(高見順賞)『典雅ないきどおり』『植民市の地形』(藤村記念歴程新鋭賞受賞)、訳書にシュミット&ベーナー『楽園創造 書割スイス文化史』エイラト『あかいはっぱ きいろいはっぱ』 |
ここを遁れ出て、自分の生きるところをもとめ、目茶苦茶奮闘している。危ういバランスを保持しながら。行く先が天気晴朗とはかぎらないのだけれども、まだ飛ぶつもりだ。いずれ墜落するのだとしても。
A5変 102ページ 2750円(本体2500円+税) 装幀=水木奏 写真=宮本隆司 ISBN978-4-87995-992-8 Cl092 \2500E
蹲るもの 東日本大震災の時、新聞社で編集の仕事をしていた。「言葉が現実に追い付けない」。そう思った。それなら詩の言葉は何を追えばいいのか、何ができるのか。考え続けている。 秋山公哉
秋山公哉 1957年、茨城県結城市生れ。詩集『約束の木』『いつもと同じ朝』『河西回廊』『夜が明けるよ』『夜と魔女とカラス』『夜の高速道路』 |
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今、ここに立つぼくの胸にやってくる昨
日の音。数億年前からかすかに響きつづ
ける長い長い時の流れ行く音――声を出
さずに泣いてみる/体を動かさずに叫ん
でみる/……世界は何も気付かなかった
A5変 104ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-991-1 Cl092 \2500E
![]() | 無垢なる夏を暗殺するために 出発点はなんでもよかった。そこからことばがどう生起し、それに伴ってどんなイメージが展開しどんな音韻が響くのか、作者はそれをただ見つめていただけのような気がする。 高柳誠
高柳誠 1950年、愛知県名古屋市生れ。詩集に『放浪彗星通信』『月の裏側に住む』『光うち震える岸へ』『半裸の幼児』『塔』『樹的世界』『アダムズ兄弟商会カタログ第23集』『都市の肖像』(高見順賞)『卵宇宙/水晶宮/博物誌』(H氏賞)ほか、集成詩集に『高柳誠詩集成』��、��、��ほか、詩画集に『月光の遠近法』(画=建石修志)『触感の解析学』(画=北川健次)『星間の採譜術』(画=小林健二)(以上3冊で藤村記念歴程賞)、エッセイに『詩論のための試論』など。 |
言葉の蕾が一つはじける。そのとき、隠れ潜
んでいた世界が姿を見せるだろう。ひびきか
わす幾つもの声と幻像――風の…地の…星々
の全き孤独の…ただ立ちつくす少年と弟の…
A5変 126ページ 2860円(本体2600円+税) ISBN978-4-87995-990-4 Cl092 \2600E
パウル・クレーの〈忘れっぽい天使〉を だいどころの壁にかけた 日記のかたちは、ささやかな記憶のかけらの感触を楽しむことができるから、とても気に入っています。……ゆっくり流れる鈍光にくるまれた時間に触れることだってできるし。 相沢正一郎
相沢正一郎 1950年、東京生れ。詩集『風の本 〈枕草子〉のための30のエスキス』『プロスペロ―の庭』『テーブルの上のひつじ雲/テーブルの下のミルクティーという名の犬』(藤村記念歴程賞)『パルナッソスへの旅』(H氏賞)『ミツバチの惑星』『ふいに天使が きみのテーブルに着いたとしても』『リチャード・ブローティガンの台所』ほか。 |
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日々の時間をゆっくり押して行くささやかなものたち…ソ
ファの下から見つかる靴下のかたわれ…縁を欠いてしまっ
たお気に入りの紅茶カップ…留守番電話に残された旅だっ
ていった人の声…その蔭にまぶしい幻が見え隠れする。追
いかけて、雨道に迷って、まよなかのだいどころにひとり
取り残された男を、しずかに目をとじて見つめている天使。
A5変 138ページ 2970円(本体2700円+税) 装画=相澤ひかる/相沢育男 ISBN978-4-87995-989-8 C1092 \2700E
![]() | 蛹が見る夢 再度の入院によって生老病死の四苦に直面した詩人は、かねてより転身した定型短詩に己の想念を自在に迸らせたが、それは後に残るパートナーへの類のない相聞歌ともなった。 相澤啓三
相澤啓三 1929年、甲府市生まれ。歌集『音叉の森』『光源なき灯台』『風の仕事』、詩集『冬至の薔薇』『交換』『マンゴー幻想』(高見順賞)『孔雀荘の出来事』『五月の笹が峰』『沈黙の音楽』『罪の変奏』『眼の殃』『ミス・プリーのとろけもの園遊会』『墜ちよ少年』『裸のままの十の詩その他の詩』『肉の鋏』『声の森・氷の肋』『北方』『狂気の処女の唄』、ほかに詩画集、旅行記、音楽評論『オペラ・アリア・ベスト101』『オペラの快楽』など。 |
やがて来るであろう飛翔の時――その
時までの新たな階梯を踏み昇る日々。
幾重にも重なる記憶、未来の時間、その
後を生きる者の時間を深く抱きながら。
はるけくも見えつつ道は入り違ひ流謫の薔薇を訪はばあやかし
砂袋のごとくに人ら落ちきたりあはれその音砂と変はらず
われによりてきみは何を得なにを失へるタイムズ・スクエア足早に行く
思ひ詰めて小黒坂まで歩けどもその人を訪はず母は帰りし
杖を立ててベンチに倚れば万象の合奏を聴く姿勢かこれは
A5変 158ページ 3080円(本体2800円+税) 装画=建石修志 ISBN978-4-87995-988-1 C1092 \2800E
ジョナス・メカス詩集 〈私は異国からやってきた一人の風来坊であるばかりだった…〉今年1月に亡くなった詩人・映像作家メカスの『セメニシュケイの牧歌』『森の中で』の2詩集をリトアニア語原詩から翻訳。諸家のエッセイを付す。 編集部
ジョナス・メカス 1922年−2019年。リトアニアのセメニシュケイ生れ。ナチス侵攻に抗したが強制労働キャンプに収容される。終戦間際にキャンプを脱出、難民船でニューヨークに渡る。映像作家としては『ロスト、ロスト、ロスト』『ウォールデン』『リトアニアへの旅の追憶』『時を数えて砂漠に立つ』など評価が高い。日本での翻訳紹介は本書所収の詩集のほかにエッセイ『どこにもないところからの手紙』『メカスの難民日記』など。 |
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異国からの流亡者が
故国のことばで綴る
心のふるえ――痛切な、懐旧と思索。
ジョナス・メカス――1922年リトアニアに生れる。ナチスの侵攻に抗し、49年難民船でアメリカに渡る。映像作家・詩人として知られるが、故国を捨てざるを得なかった孤独な異邦人として表現に身を賭すよりなかったのではないか。実験的映像作品プライベートフィルムも、アメリカでは理解されることのほとんどないリトアニア語での詩作品も、その弧心の疼きであろう。2019年1月ニューヨークマンハッタンで逝去。邦訳エッセイに『どこにもないところからの手紙』『メカスの難民日記』ほか。
四六 292ページ 3300円(本体3000円+税) 付・エッセイ=村田郁夫/メカスとセメニシュケイ、木下哲夫/たえず遠ざかり、帰らぬもののために、鈴木志郎康/言語が場面というものになる、吉増剛造/紐育、午前四時三十分/メカス追悼
![]() | 薄明のサウダージ 薄明が好きでした。サウダージという言葉が好きでした。このふたつを詩において出会わせると、どんな化学反応が起こるのでしょう。本書はそのささやかな実験の記録です。 野村喜和夫 野村喜和夫 1951年生れ。詩集『骨なしオデュッセイア』『デジャヴュ街道』『久美泥日誌』『難解な自転車』(藤村記念歴程賞)『言葉たちは芝居をつづけよ、つまり移動を、移動を』『ニューインスピレーション』(現代詩花椿賞)『風の配分』(高見順賞)『草すなわちポエジー』『特性のない陽のもとに』(藤村記念歴程新鋭賞)『わがリゾート』ほか、評論エッセイ『哲学の骨、詩の肉』『移動と律動と眩暈と』(鮎川信夫賞)ほか、翻訳『ヴェルレーヌ詩集』ほか。 |
さまよい歩いている、みんなどこへ行ってし
まったか…青い扉の小さな劇場…狭い路地の
奥…遠いオレンヂ…街はずれの空き地のサア
カス…魂をまねて輝く黄斑のような月…われ
われの背後を通り過ぎてゆく何かとても大切
なもの…骨の芯をふるわす何かとてもなつか
しいもの…それが薄明というものであるのか。
A5変 178ページ 3080円(本体2800円+税) ISBN978-4-87995-986-7 C1092 \2800
キラキラヒカル――入沢康夫自選ライトヴァース集 (著者メッセージに代えて)本詩集は、2018年10月15日に亡くなった入沢康夫氏が2013年に自選した傑作ライトヴァース集である。当初、詩画集として計画されたが実現しなかった。今回「入沢康夫さんを偲ぶ会」(4月20日於私学会館)の開かれるのを機に残された目次に沿って詩集として刊行する。 編集部 入沢康夫 1931年松江市出身、2018年逝去。詩集『かりのそらね』『アルボラーダ』(詩歌文学館賞)『遐い宴』(萩原朔太郎賞)『唄―遠い冬の』(毎日芸術賞)『漂ふ舟 わが地獄くだり』(現代詩花椿賞)『夢の佐比』『水辺逆旅歌』(藤村記念歴程賞)『歌―耐へる夜の』『死者たちの群がる風景』(高見順賞)『春の散歩』『駱駝譜』『牛の首のある三十の情景』『かつて座亜謙什と名乗った人への九連の散文詩』『「月」そのほかの詩』『倖せそれとも不倖せ 續』『声なき木鼠の唄』『わが出雲・わが鎮魂』(讀賣文学賞)『季節についての試論』(H氏賞)『ランゲルハンス氏の島』(絵=落合茂)『古い土地』『夏至の火』『倖せそれとも不倖せ』、集成詩集『楽園の思い出』(財部鳥子編)『現代詩文庫・入沢康夫詩集』『入沢康夫〈詩〉集成1951−1970』『入沢康夫〈詩〉集成1951−1978』『入沢康夫〈詩〉集成1951−1994』、エッセイ評論『ナーサルパナマの謎』『「ヒドリ」か「ヒデリ」か』『宮沢賢治 プリオシン海岸からの報告』『ネルヴァル覚書』『詩的関係についての覚え書』『詩の逆説』『詩の構造についての覚え書』ほか、訳書にネルヴァル、ポー、ブルトンなど。 |
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こころをかくす
脆く壊れやすい一生を授けられて、なお壊れやすい心をどこ
にしまっておいたらよいものか。いっそのことに、くたくた
の合財袋の底からひっぱりだし、素裸に剝き、磨き立て、た
なごころにころがしながら歩んだら、誰にもそれとは見とが
められなかった! 木の枝々にとまる赤い天使たちと悲しい
顔してしゃがむ一人の黒いこびと以外には。内緒の話だが…
四六変フランス装 122ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-985-0 Cl092 \2500E
![]() | みちゆき 君知る蛙の寿命。思えばあの田圃の五月早も来鳴きて十一登世過ぎた。今や鳴嚢破れ両手平抱疣も擦り切れた。更に命永らえんと欲すれば雌になれという声あればふるえてみましょう老嬢蛙。 細田傳造 細田傳造 1943年東京生れ。詩集『アジュモニの家』『かまきりすいこまれた』『水たまり』(丸山薫賞・埼玉詩人賞)『ぴーたーらびっと』『谷間の百合』(中原中也賞) |
アルケルカ? うん。気侭に行く。
もうかなりいい年になったんだもの。
何かしら見つけると、しばし立ち停まり、その都
度ちょっかいを出す――ややもせずに諦めて、け
れども奮起もするのだ。眼の端をよぎる次なる美
景を追い、また、先のしれない道をせっせと行く。
A5変 118ページ 2750円(本体2500円+税) 装画=百田智行 ISBN978-4-87995-984-3 Cl092 \2500E
高柳誠詩集成III 『詩集成』もついに3冊目となった。個々の世界をもつ今回の6詩集が互いのことばの光で照らしあい牽引しあうと、そこにどんな光景が開け、どんな磁場が出現するだろうか。 高柳誠
高柳誠 1950年、愛知県名古屋市生れ。集成詩集に『高柳誠詩集成I』『高柳誠詩集成II』『Augensterne 詩の標本箱』(独訳=浅井イゾルデ)『高柳誠詩集』(詩・生成7)、単行詩集に{『放浪彗星通信』『月の裏側に住む』『大地の貌、火の声/星辰の歌、血の闇』『光うち震える岸へ』『鉱石譜』『廃墟の月時計/風の対位法』}『半裸の幼児』『夢々忘るる勿れ』『万象のメテオール』『星間の採譜術』(画=小林健二/藤村記念歴程賞)『触感の解析学』(画=北川健次/藤村記念歴程賞)『月光の遠近法』(画=建石修志/藤村記念歴程賞)『イマージュへのオマージュ』}『塔』『樹的世界』『アダムズ兄弟商会カタログ第23集』『都市の肖像』(高見順賞)『綾取り人』『卵宇宙/水晶宮/博物誌』(H氏賞)『アリスランド』、エッセイ・評論に『詩論のための試論』『リーメンシュナイダー 中世最後の彫刻家』。 |
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古来、そして遙かの時まで、遁れがたい宿命に懊悩する人/生きもの/ものたち……闇のなかの彼らをいだき、虚空へはなちやる詩の言葉。
四六 512ページ+栞20ページ 4620円(本体4200円+税) 栞=時里二郎・諏訪哲史・高遠弘美・岡本章 装幀=白井敬尚 ISBN978-4-87995-983-6 C1092 \4200E
![]() | 季語練習帖 20世紀の世界詩の革新に大きく深い影響を与えた史上最短の詩型・俳句…その生命の指標である季語を、実作を通して考えなおそうと試みる1111句、および作句ノート101章。 高橋睦郎 高橋睦郎 1937年生れ。詩・短歌・俳句・戯曲・新作能・小説など、文学の様々なジャンルの創作を試みつづける。句集『十年』(蛇笏賞・俳句四季大賞)『百枕』『遊行』(日本詩歌句協会賞)『稽古飲食』(読売文学賞)『金沢百句』ほか、詩集『つい昨日のこと 私のギリシア』『起きあがる人』『永遠まで』(現代詩人賞)『小枝を持って』『恢復期』『姉の島』(詩歌文学館賞)『旅の絵』(現代詩花椿賞)『鍵束』『兎の庭』(高見順賞)『王国の構造』(藤村記念歴程賞)『眠りと犯しと落下と』ほか、歌集『待たな終末』『歌枕合』『倣古抄』ほか、『詩人が読む古典ギリシア』『季語百話』などエッセイ・評論、多数。 |
新しい季語をもとめて人々の踏みきたる野にあそぶ。
高橋睦郎
1111句の句作と作句ノート101章。
季語―20世紀世界詩に深く影響した俳句の中核に在る季語は、句の生命の中心であり、また宇宙の混沌から生命の沃野を守ろうと必死で立つ前衛でもあるはずだ。
四六変 220ページ 3300円(本体3000円+税) ISBN978-4-87995-981-2 Cl392 \3000E
さよなら、ほう、アウルわたしの水 なしくずしの死、存在の喪失、それは一分一秒の進みから分かたれる時間であった。喪を書記するわたしはわたしという呼称から引き裂かれた。打ち拉がれた時の束の記録。 奥間埜乃 奥間埜乃 1975年、東京生れ。本詩集は著者の第一詩集である。 |
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さあ、[わたし]しかいない―――慟哭は
脱臼し、震盪、散乱、攪乱、浸潤する…
……降りしきる喪が析出する詩語の飛沫。
A5変 90ページ 2420円(本体2200円+税) 栞=藤原安紀子 ISBN978-4-87995-982-9 Cl092 \2200E
![]() | 夜航樹 俳媒花に寄す――打田峨者ん第五句集:日や月や儀や名づけえぬ雪の味/遠蛙あれはオルガスムス不可避/晩春の瘡蓋剝す剝さない。 打田峨者ん |
俳媒花に寄す
日や月や儀や名づけえぬ雪の味
奥歯一顆銀河に匿(カク)し古池屋
あの午後へ花栗の香をさかのぼる
蘆原を来て小笹原 小町不死
オデットの瀕死の太腿 月の湖(ウミ)
不器男の忌 余白づたひに蝶の道
丁字路(テイジロ)に二つの秋や雑司ヶ谷
A5変 114ページ 1980円(本体1800円+税) 飾画=内田峨 ISBN978-4-87995-980-5 Cl092 \1800E
換気扇の下の小さな椅子で 気が付いたら、詩を書き始めてから半世紀が過ぎていました。この半世紀の間に、私は十分に己を書きえたのでしょうか。八十歳。いま落ち着いているのかもしれぬこの場所で、私はまどい悩んでいます。もうひと鞭、己にくれてやるべきではないのかと。 清水哲男 清水哲男 1938年生れ。詩集『黄燐と投げ縄』(三好達治賞・山本健吉文学賞)『緑の小函』『現代詩文庫/続・清水哲男詩集』『夕陽に赤い帆』(萩原朔太郎賞)『東京』(詩歌文学館賞)『地図を往く雲』『掌のなかの映画』『甘い声』『雨の日の鳥』『野に、球。』『現代詩文庫/清水哲男詩集』『スピーチ・バルーン』『水瓶座の水』(H氏賞)『喝采 水の上衣』『水の上衣』『喝采』。句集『打つや太鼓』『匙洗う人』。エッセイ『増殖する俳句歳時記』『「家族の俳句」歳時記』『さらば、東京巨人軍』『詩に踏まれた猫』『蒐集週々集』『現代詩つれづれ草』。 |
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往時、俺たちは皆ターザンだった。
アーアー、アーアー。
木から木へと飛び移り、夕暮れになって山から降り
てきた。いつしか山に入らなくなり、夕暮れにはう
ずくまって換気扇の下でタバコを吸うようになって、
アーアー、アーアー。あの雄叫び
は煙のように漂うだけになっていた、というわけさ。
A5変 74ページ 2420円(本体2200円+税) ISBN978-4-87995-979-9 Cl092 \2200E
![]() | 秘苑にて 三十年来、夢見てきた詩集である。簡潔に凝縮された、一種の「詩的自伝」だと思う。Il faut cultiver notre jardin.(ヴォルテール『カンディード』)わたしも結局、自分の庭を、秘苑を、耕しながら生きてきたのだ。 松浦寿輝 松浦寿輝 1954年東京都生れ。作家・詩人・仏文学者・批評家。詩集に『afterward』(鮎川信夫賞)『吃水都市』(萩原朔太郎賞)『鳥の計画』『女中』『冬の本』(高見順賞)『ウサギのダンス』、小説に『名誉と恍惚』(谷崎潤一郎賞・ドゥマゴ賞)『BB/PP』『川の光』『そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所』『半島』(読売文学賞)『花腐し』(芥川龍之介賞)他、エセー・評論も『黄昏客思』『明治の表象空間』『知の庭園 一九世紀パリの空間装置』『青天有月』『エッフェル塔試論』『折口信夫論』など、多くで受賞。 |
秘苑を囲んで流れる川
濁った水には月も星も映らない
その岸に沿って忍び足で警邏する
醜く肥った老人がいるという……
………足を踏み入れてしまったそ
の鎖された庭で、不穏な日夜を踏
み迷い、すっかり白髪が増え、難
船しつづけているわたし。時には、
夢の酸敗を知らない、柔かい黒髪
の少年が脱出の錯覚に溺れもする。
A5変 154ページ 3080円(本体2800円+税) ISBN978-4-87995-978-2 Cl092 \2800E
青のあわだつ あなたの存在 それはあるいは紐のようにからまり 柔らかく かすかな矛盾を含んだ けれどあるとき 突然その紐が解けて矛盾が解消すると あなたはもうすっかり透きとおってしまい 毛毛脩一
毛毛脩一 1953年、名古屋市生れ。本詩集は著者の第一詩集である。 |
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矛盾を含んでいるために成立する
――すべての〈存在〉
壊れた櫂を抱擁する/うすあおい漁師の身のこなしに似た/昏
い藻の わずかなゆらめきに似た/私には知ることのできない
ちいきな身ぶりのどれか/そのひとつに/または白いこころに
残ったやわらかなひだのひとつにこっそりと誰かが/触れて
A5変 138ページ 2860円(本体2600円+税) 装画=中田ふみ/中田茂伸 ISBN978-4-87995-977-5 Cl092 \2600E
![]() | 冷麵 父は四十歳ぐらいの時、減反田を掘り起こして池をつくり、スッポンと泥鰌の養殖を始めた。どちらもよその田へ逃げてしまいお金にはならなかった。食べ物は、なんて文化なんだろう。 青山雨子 青山雨子 1961年、福井県武生市(現越前市)生れ。詩集『東京ベースボール』『ナポレオン食堂』『芭蕉』『レモン』『白い地図』『暇な喫茶店』『階段のさき』、編著に『則武三雄詩集「赤い髪」』 |
槐の花があんなに咲いている。
山椒の種がぱらぱらとはじける。
パッパッと唐辛子の実が飛ぶ。
時が
時が
こんなに降ってくる。
A5変 84ページ 2750円(本体2500円+税) カバーオブジェ=井坂奈津子 ISBN978-4-87995-976-8 C1092 \2500E
カヴァフィス全詩 カヴァフィスは現在を書かなかった。世界史におけるギリシャ人の栄光も、同性愛者の官能の喜びも、失われた後に残った淡い影としてのみ記される。二十世紀という喪失の時代にふさわしい詩人であった。 池澤夏樹
C・P・カヴァフィス 1863−1933。アレクサンドリアのギリシャ語詩人。20世紀21世紀の世界で広く読まれ、高く評価され、深く愛される。その作品は、歴史のアイロニー・人間の生きることに対する哲学的詠歎・同性愛者としての美的性的生活に関わるものに大別されるが、いずれも類い稀な詩質に裏打ちされている。 |
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歴史のアイロニーと一人の孤独な人間のありよう、
そして同性愛者の官能と悲傷――カヴァフィス詩を長く机辺に置きつづけた池澤夏樹による待望の翻訳。
詩人のまなざしが衝く人間の生きよう、その過去…現在…
カヴァフィス(1863―1933)――アレクサンドリアのギリシャ語詩人。その作品は20世紀・21世紀の世界で広く読まれ、高く評価され、深く愛されている。迷妄を重ね、希望の光がほとんど破砕されるかに思われるこの時代であるからこそ、読む者は膝を打ち、なおまた胸を刺されるのだろうか。
A5変 336ページ 3850円(本体3500円+税) 装画=ニコス・ハジキリアコス=ギカ ISBN978-4-87995-975-1 Cl098 \3500E
![]() | 穏やかな剥離 書き記されたことばが音を身にまとう。風にひるがえる葉のきらめきにかげろうイメージが音韻中枢のキーをたたいて詩語が奏でられる。ことばが音をまとい奏でられ、光を放つ。詩のカタルシス。 是永駿 是永駿 1943年門司市生れ。大分市で育つ。中国語中国文学専攻。詩集『宙の上』、翻訳に『台湾現代詩集』(共編訳)、『現代中国詩集』(共編訳)、ペイタオ『北島詩集』『波動』、『戈麦(ゴーマイ)詩集』、マンク『時間のない時間』『芒克詩集』ほか。 |
時空の縁が顫え、束の間、出現する光景。
――わたしは無の者。
あるいは、転成をつらぬく生の意志を負う者。
A5変 100ページ 2640円(本体2400円+税) 装幀=中島浩 ISBN-978-4-87995-974-4 C1092 \2400E
三日月をけずる 土地と人と出来事によって織りあげられた、遠い日の記憶のタペストリー。忘れ得ぬ、芦屋と母と震災とが、わたしを、わたしのchildhood’s end へとタイムスリップさせてくれた。 服部誕 服部誕 1952年、兵庫県芦屋市生れ。詩集『右から二番目のキャベツ』『おおきな一枚の布』『空を飛ぶ男からきいたという話と十八の詩篇』『首飴その他の詩篇』 |
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日々の片隅にうずくまっている記憶の小さなかけらたち。
この日―それらは濃い影をともなって立ち上がり、特別な一日をかたちづくる。
A5略フランス装 126ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-973-7 C1092 \2500E
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| 貨幣について
貨幣も/焦げるんだろう// さとう三千魚
さとう三千魚 1958年、秋田県雄勝郡羽後町生れ。Webサイト「浜風文庫」運営。詩集『浜辺にて』『はなとゆめ』『マイルド・セブン その他』『ぼくの恋は、ミドリ』『サハラ、揺れる竹林』 |
幾日も、日々の時間を見ていた。
ためらって
それから
ゆっくりと言葉をかさねる。
幾度も目をしばたたき
たしかめたいと思う……
光? みている。
A5変 104ページ 2640円(本体2400円+税) 画6葉=桑原正彦 ISBN978-4-87995-972-0 Cl092 \2400E
夜の碇の下で ここに集めた詩篇は、30年くらい前に書きためたもの。でも、一冊の詩集にしたてると、まるでフレームに収まった一枚のタブローのように立ちあがり、生きる「今」になった。 鳩仁彦 |
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影の奥からこちらを窺う者がいる――
私たちを生につなぎとめるものは何か、と。
軽やかな足どりはもう不可能だ。
だが、空はかぎりなく深く、広い。
A5変 116ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-971-3 Cl092 \2500E
![]() | 白石かずこ詩集成 �� 20世紀半ばから21世紀の現代詩最前線を疾駆し、その基底部を揺さぶりつづける白石かずこ作品を集成する詩集成の第�郡�(1985-2017)。 編集部 収録作品: 『CUTTACK and OTHER POEMS』『炎える瞑想』『ふれなま、ふれもん、ふるむん』『ひらひら、運ばれてゆくもの』『現れるものたちをして』(読売文学賞・高見順賞)『ロバの貴重な涙より』『浮遊する母、都市』(晩翠賞)『満月のランニング』単行本未収録詩篇2009-2017
白石かずこ 1931年カナダ、バンクーバー生れ。七歳で日本に帰国。早稲田大学文学部卒業。「VOU」に参加。世界各地の詩祭に招かれ諸国をめぐり活動しつづける。アレン・ギンズバーグとの出会いをきっかけにポエトリー・リーディングに積極的に取り組み、内外のジャズ・ミュージシャンとの共演も多い。2010年、セルビア「スメデレボ金の鍵賞」受賞。 |
この惑星の時間は切迫している――
ゆえなき惨苦渦中に呑まれ、
歎き、かつ踊りかつ喰ういきもの・人間に寄り添い、
溢れる想いとひるまぬ視線を注ぐコトバ。
白石かずこ1985-2017の詩作群
収録作品――――
『CUTTACK and OTHER POEMS』
『炎える瞑想』
『ふれなま、ふれもん、ふるむん』
『ひらひら、運ばれてゆくもの』
『現れるものたちをして』
『ロバの貴重な涙より』
『浮遊する母、都市』『満月のランニング』
単行詩集未収録詩篇2009―2017
四六 636ページ+栞 6600円(本体6000円+税) 付録栞=財部鳥子/阿部日奈子/山崎佳代子/高橋順子/富岡多惠子/吉増剛造/小池昌代 装画=白石由子 装幀=菊地信義 ISBN978-4-87995-970-6 C1092 \6000E
詩的行為論 あなたが一つの時代を生きていると感じるなら、その時代の意味が露わになる場面に立ち会うことがあるだろう。その「時」を誰もが生き抜かなければならない。作家たちもまた。 吉田裕
吉田裕 1949年生れ。評論家・仏文学者。著・訳書に『『死者』とその周辺』『バタイユ―聖なるものから現在へ』『詩と絵画』(共著)『Les Études françaises au Japon, tradition et renouveau』(共著)『危機の中の文学』(共著)『これからの文学研究と思想の地平』(共著)『聖なる陰謀―アセファル資料集』(共訳・著)『バタイユの迷宮』『異質学の試み』『物質の政治学』『ニーチェの誘惑』『聖女たち』『幻想生成論』『吉本隆明とブランショ』ほか |
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歴史の時間とは何だろう。その中を人はどう生きるのか。
吉田裕
変容としてのみある「時]「時代]を懸命に生きることについて。
四六変 480ページ 3080円(本体2800円+税) ISBN978-4-87995-968-3 C1395 \2800E
![]() | 千の花びら 広島の地で記憶された生死の物語は、いつしか時も場所も遙かに超えていく。長い魂の出会いの体験と、言霊に導かれての現世の旅、すべてが、一つの世界に結ばれていく。 井野口慧子
井野口慧子 1944年4月1日、広島県生れ。詩集『火の文字』『浄らかな朝』『蝉の島』『冬の帽子』『光の錐』『季節のランプ』『野を駆ける風の声を』『愛が』エッセイ集『深い永遠の中へ―詩が生まれる場所』『魂の気配を描く画家 ウジェーヌ・カリエールへの旅』『絵本と詩を抱えて』『夕空晴れて』版画詩集『森の家族』(版画=杉谷冨代)ほか |
もしかするとこんな日だったろうか。
透明な一日。
凍蝶の翅の気づかぬほどの震え。
大聖堂片隅のチェンバロの忘れられた響き。
――とらえがたい微かな吐息、記憶の底から遙かな
未来へひっそりと手渡される生命の息吹を聴き取る。
A5変 154ページ 2860円(本体2600円+税) カバー写真=迫幸一 ISBN978-4-87995-969-0 Cl092 \2600E
くりかえしあらわれる火 あたりまえの日々を生きてゆく。遙か頭上で燃えあがる火とともに。彼の地にあってすべてを焼き尽くす火とともに。あらわれては消えてゆく火と、小さく灯されつづける火とともに。 西元直子 |
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きらきらしていたけれど、ただ日が差しているだけ、
というわけでもなかったんだ、
なぜ気づかなかったのだろう、なぜ気づかなかったのだろう、
小さなひとが向こう岸から
なにか叫ぶ。手を振る。
四六フランス装 130ページ 2420円(本体2200円+税) 装画=赤塚祐二 ISBN978-4-87995-967-6 Cl092 \2200E
![]() | 仮象の塔または九つにわかたれたあのひとの遺骸をさがす旅 ほろんだものは二度ほろべない――ばらばらになってしまったあのひとをめぐる旅はじまる。ゆがんだ正方形をかさねて地図をつくり、ありえなかった時代のおもさをひきうけて。 根本正午
根本正午 1975年、千葉県旧佐原市生れ。熱帯のシンガポール共和国で子供時代を過ごす。本詩集は著者の第一詩集である。 |
今、ここに、出現する言葉――
掣肘の壁に身をぶつけながら
到り着くべきところをもとめて
めいろをまろびゆく。
A5 104ページ 2200円(本体2000円+税) ISBN978-4-87995-966-9 C1092 \2000E
白石かずこ詩集成 �� 20世紀半ばから21世紀の現代詩最前線を疾駆し、その基底部を揺さぶりつづける白石かずこ作品を集成する詩集成の第�挟�(1968-1984)。 編集部 収録作品: 『一艘のカヌー、未来へ戻る』(無限賞)『風そよぎ、聖なる淫者』『砂族』(藤村記念歴程賞)『新動物詩集』『火の眼をした男』『太陽をすするものたち』単行本未収録詩篇1968-1978
白石かずこ 1931年カナダ、バンクーバー生れ。七歳で日本に帰国。早稲田大学文学部卒業。「VOU」に参加。世界各地の詩祭に招かれ諸国をめぐり活動しつづける。アレン・ギンズバーグとの出会いをきっかけにポエトリー・リーディングに積極的に取り組み、内外のジャズ・ミュージシャンとの共演も多い。2010年、セルビア「スメデレボ金の鍵賞」受賞。 |
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激しく渦巻くマグマから噴出する
詩のコトバたち――
思惟の海を往き、宇宙の縁に触る。
砂の国に歩み入り、
永劫の時間を一身に生きる。
白石かずこ1968-1984の詩作群
収録作品――――
『一艘のカヌー、未来へ戻る』
『風そよぎ、聖なる淫者』
『砂族』
『新動物詩集』
『火の眼をした男』
『太陽をすするものたち』
単行詩集未収録詩篇 1968-1978
四六 658+栞28ページ 6600円(本体6000円+税) 付録栞=平田俊子/笠井叡/蜂飼耳/八木忠栄/水田宗子/高橋睦郎/伊藤比呂美 装画=白石由子 装幀=菊地信義 ISBN978-4-87995-965-2 Cl092 \6000E
![]() | 鈴と桔梗 記憶は伝承にまぎれて沈んでいるのでした。ことばを向けると、ゆっくりといずまいを正し、何かをしたたらせながら浮いてくる。おそれ、欺瞞、それともやさしさ。 坂口簾
坂口簾 1934年松江市生れ。「光年」に所属し評論を執筆。編著に『喜多行二全詩集』。「践草詩舎」同人。 |
地を這う影に向かって
烏は尋ねる
おまえが見たのは
執着か
背信か
それとも逸脱
いいえ
わたしが見たのは
幼年の日の紙飛行機
祭り囃子
それから
風に散る文殻の灰
ああ それから
自死を選んだ人の落下
烏は考える
自分史の挿絵は
まだ乾いていないのかも知れない
A5変 108ページ 1980円(本体1800円+税) ISBN978-4-87995-964-5 C1092 \1800E
星界からの報告
池澤夏樹 1945年生れ。詩集に『池澤夏樹詩集成』『塩の道』他、小説『キトラ・ボックス』『双頭の船』『キップをなくして』『花を運ぶ娘』『骨は珊瑚、眼は真珠』『マシアス・ギリの失脚』『真昼のプリニウス』『スティル・ライフ』他、エッセイ・評論に『詩のなぐさめ』『嵐の夜の読書術』『イラクの小さな橋を渡って』『旅をした人 星野道夫の生と死』『楽しい終末』『母なる自然のおっぱい』『インパラは転ばない』『ブッキッシュな世界像』『サーカムナヴィゲーション』他多数、翻訳にカート・ヴォネガット、ジェラルド・ダレル、カヴァフィス(近刊予定)など。個人編集の世界文学全集・日本文学全集の編纂に携わる。ギリシャに住んだことをきっかけにテオ・アンゲロプロス映画の字幕制作をも担当した。 |
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人は満天の星をあおぎ、はるかな涯にひとつの光をみつける
池澤夏樹はつぶやく――
きっと、人は遠方にみつめるべきものを必要とするのだ
山々を走り海に乗り出しせっせと地球を理想郷に造り変えて来た人間たち。彼らは、遠く手の届かない所で光る星々に何を見、何を求めるのだろう。
四六変 142ページ 2200円(本体2000円+税) ISBN978-4-87995-352-0 C1395 \2000E
![]() | 増補新版・ギリシャの誘惑 ヘミングウェイのパリのように、ぼくのギリシャ体験は移動祝祭日だ。若い時に行くと一生ついて回る。その幸福の記憶を新しい器に入れて提供する。 池澤夏樹
池澤夏樹 1945年生れ。詩集に『池澤夏樹詩集成』『塩の道』他、小説『キトラ・ボックス』『双頭の船』『キップをなくして』『花を運ぶ娘』『骨は珊瑚、眼は真珠』『マシアス・ギリの失脚』『真昼のプリニウス』『スティル・ライフ』他、エッセイ・評論に『詩のなぐさめ』『嵐の夜の読書術』『イラクの小さな橋を渡って』『旅をした人 星野道夫の生と死』『楽しい終末』『母なる自然のおっぱい』『インパラは転ばない』『ブッキッシュな世界像』『サーカムナヴィゲーション』他多数、翻訳にカート・ヴォネガット、ジェラルド・ダレル、カヴァフィス(近刊予定)など。個人編集の世界文学全集・日本文学全集の編纂に携わる。ギリシャに住んだことをきっかけにテオ・アンゲロプロス映画の字幕制作をも担当した。 |
ギリシャはぼくに人間とは何かを教えた
池澤夏樹
賞讃者のまなざしで綴るギリシャ案内
古代ギリシャからの長い時間。時代とともに変るものがあり、変らないものもある…どこまでも青い空。過剰なほどに注ぐ陽光。その下で人々の生きること。
四六変 212ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-962-1 C1395 \2500E
かなしみという名の爆弾を 悲しみを爆破するために/悲しみを爆発させないために/41の詩の爆弾をあなたに…… 能祖將夫 |
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日暮れの台所にぽつんと立っている老人…夕陽に向かって駆け抜けてゆく少年…真っ暗な部屋で一人楽器を鳴らしている少女…出口の見えないトンネルを黙々と行く人…廃れた幼稚園のソファーに腰掛けている老婦人…みんなどこか不穏なものを抱えている。それを、どこに埋めたらよいものだろうか。
A5変 132ページ 2420円(本体2200円+税) 装画=三嶋典東 ISBN978-4-87995-963-8 C1092 \2200E
![]() | 白石かずこ詩集成 �� 20世紀半ばから21世紀の現代詩最前線を疾駆し、その基底部を揺さぶりつづける白石かずこ作品を集成する詩集成の第�鬼�(1949-1975)。 編集部 収録作品: 『卵のふる街』『虎の遊戯』『もうそれ以上おそくやってきてはいけない』『今晩は荒模様』『聖なる淫者の季節』(H氏賞)『動物詩集』『紅葉する15人の兄弟日本列島に休息すれば』単行詩集未収録詩篇1950−1967
白石かずこ 1931年カナダ、バンクーバー生れ。七歳で日本に帰国。早稲田大学文学部卒業。「VOU」に参加。世界各地の詩祭に招かれ諸国をめぐり活動しつづける。アレン・ギンズバーグとの出会いをきっかけにポエトリー・リーディングに積極的に取り組み、内外のジャズ・ミュージシャンとの共演も多い。2010年、セルビア「スメデレボ金の鍵賞」受賞。 |
詩の言葉たち――
一滴の雫のように惨み出し、
やがて奔流となる詩の言葉たちがとらえる、
地球の心臓の打ち方。
白石かずこ1949-1975の詩作群
収録作品――――
『卵のふる街』
『虎の遊戯』
『もうそれ以上おそくやってきてはいけない』
『今晩は荒模様』
『聖なる淫者の季節』
『動物詩集』
『紅葉する15人の兄弟日本列島に休息すれば』
単行詩集未収録詩篇 1950-1967
四六 612+栞24ページ 6050円(本体5500円+税) 付録栞=四谷シモン/森茉莉/吉岡実/大岡信 装画=白石由子 装幀=菊地信義 ISBN978-4-87995-961-4 C1092 \5500E
マチュピチュの頂 詩人の絶唱をもっともふさわしい訳者が日本語にうつした名訳。折から、映画『ネルーダ 愛の逃亡者』が公開されることもあり、貴重なネルーダ本として読んでいただきたい。 編集部
パブロ・ネルーダ 1904−1973。チリの詩人。詩集に『二十の愛の詩と一つの絶望の歌』『地上の住処』『大いなる歌』『基本的なオード』ほか、散文に『我が生涯の告白』『私は生れるべくして生まれた』など。1971年にノーベル文学賞受賞。 |
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菊変 120ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-624-8 C1098 \2500E
![]() | 右から二番目のキャベツ 多くの死に遭遇した50年を経て、今わたしは、自分の〈死〉を思い描けるほどに老いた。だが、ふりかえれば、そこに広がっているのは、まぎれもない、私の〈生〉の形だ。 服部誕
服部誕 1952年生まれ。詩集『おおきな一枚の布』『空を飛ぶ男からきいたという話と十八の詩篇』『首飴その他の詩篇』 |
詩人服部誕は、日々見慣れた生活の光景をくるり
とひと皮剥いてみせます。あらわされるのは洒脱
で骨太な、ときに少々黒いユーモアにつつまれた
生への親和です。
たとえばパスであなたの隣に座っているのが熊だ
ったら、どうしますか。服部誕にきいてみてくだ
さい。 ───岩阪恵子
A5略フランス装 86ページ 2640円(本体2400円+税) ISBN978-4-87995-960-7 C1092 \2400E
骨時間 第五句集――七篇の組曲(連作・群作)を収録した。「昭和ドクメンタ」「水の写本」「夏夏。夏。」「オメガルパ」「風の再話」「ワレンベルク辺境伯領滞在記」「あとりえアナベル」である。 打田峨者ん |
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俳句とその余白のまじりあう
言葉の汽水域の消息──251章
「オメガルパ」「昭和ドクメンタ」「風の再話」
「水の写本J「あとりえアナベル」「夏夏。夏。」
「ワレンベルク辺境伯領滞在記」──
全7篇の連作・群作を収録。
A5変 158ページ 2640円(本体2400円+税) 飾画=内田峨 ISBN978-4-87995-959-1 C1092 \2400E
![]() | 水のクモ 哀歌から始まった詩は愛もうたい、愛も哀に他ならないと知ればひたすら死の裏地を上質にと祈る言葉は研ぎ澄まされる。詩は祀る言葉なればこそ言葉の祭。何と豪奢な哀傷。 藤本真理子
藤本真理子 1947年生れ。詩集『触れなば』『雪、フェルマータ』『櫻雨』『石山』『スプレィ・マム』『眠り舞』『イリスの神話』、エッセイ『愛の破片―映像と生贄』翻訳にイーディス・シットウェル『ヴィクトリア 英国女王伝』『惑星の蔓』『凍る℧』 |
まるまっている
マリモ
ミノムシ
ダンゴムシ
シーッ
宙空を漂い、身内を
震わす無数の声をす
くいとる。影のよう
にありながら飛び交
い響き合わせる言葉
たち──
A5変 138ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-958-4 C1092 \2500E
とがりんぼう、ウフフっちゃ。 文字を覚えた者の前には、書かれる言葉の地平が広がっている。そこに一つでも言葉を書けば、その人は遙か彼方の地平線に向かって次々に言葉を書き続けたくなる。ああ、何というすばらしい広がりだ。 鈴木志郎康
鈴木志郎康 1935年生れ。詩集に『化石詩人は御免だぜ、でも言葉は。』『どんどん詩を書いちゃえで詩を書いた』『ペチャブル詩人』(丸山豊記念現代詩賞)『攻勢の姿勢 1958-1971』『声の生地』(萩原朔太郎賞)『胡桃ポインタ』(高見順賞)『石の風』『遠い人の声に振り向く』『タセン(躱閃)』『わたくしの幽霊』『家の中の殺意』『家庭教訓劇怨恨猥雑篇』『罐製同棲又は陥穽への逃走』(H氏賞)ほか、評論集に『結局、極私的ラディカリズムなんだ』『映画素志』『写真有心』『いま、詩を書くということ』『穂先を渡る』『純粋身体』『純粋桃色大衆』ほか、写真集に『眉宇の半球』、映像作品に『山北作業所』『内面のお話』『風の積分』『15日間』『写さない夜』『草の影を刈る』『日没の印象』ほか。 |
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とがりんぼうって、何だ?
───まだまだやめませんよ、
とがりんぼうを追いかけて、
どうでもこうでも
捕まえるんです、───ウフフっちゃ。
菊変 242ページ 3300円(本体3000円+税) 装画=海老塚耕一 ISBN978-4-87995-957-7 C1092 \3000E
![]() | 海へ
3.11、私の古里・千葉県飯岡町(現旭市)にも大津波が押し寄せ、海辺の生家は半壊。海への憧れと恐怖に引き裂かれ、三年間避けていた視線でした。五年ぶりの詩集です。 高橋順子 高橋順子 1944年千葉県海上郡飯岡町(現旭市)生れ。詩集『お遍路』『あさって歯医者さんに行こう』『どうろくじんさま』『川から来た人』『貧乏な椅子』(丸山豊記念現代詩賞)『海の女』(画=牧野鈴子)『時の雨』(読売文学賞)『普通の女』『幸福な葉っぱ』(現代詩花椿賞)『花まいらせず』(現代詩女流賞)『凪』『海まで』、連詩集『地球一周航海ものがたり』(新藤凉子と)『百八つものがたり』(三木卓・新藤凉子と)『からすうりの花』(新藤凉子・吉原幸子と)、集成詩集に『高橋順子詩集成』『高橋順子詩集』、エッセイ評論翻訳等に『夫・車谷長吉』『水のなまえ』『月の名前』『緑の石と猫』『一茶の連句』『恋の万葉・東歌』『花の名前』『風の名前』『雨の名前』『富小路禎子』アルプ『航海日誌』『意地悪なミューズ』ほか |
歎きも憂いも、昨日と明日も、ことばの窓を開け閉めして古里の海に還してきた。2011.3.11──ぎざぎざの海。
海という窓は閉められぬ……/同行二人……。傍らの伴侶・車谷長吉氏とともに日々を闘いながらも、独り言葉の山谷に分け入る。
A5変 130ページ 2640円(本体2400円+税) ISBN978-4-87995-899-0 C1092 \2400E
遠まわりして聴く つまるところ表現と呼ばれるものすべては翻訳なのだと嘯いてみれば、わが眼や耳を通過する言葉や音、かたちが、さてどんなふうに言語化されたのかという記録がこの書物なのだろう。 和田忠彦
和田忠彦 1952年生れ。イタリア近現代文学・文化芸術論専攻。東京外国語大学名誉教授。著書『タブッキをめぐる九つの断章』『ファシズム、そして』『声、意味ではなく――わたしの翻訳論』『ヴェネツィア 水の夢』。訳書にタブッキ『とるにたらないちいさないきちがい』『イザベル ある曼荼羅』『いつも手遅れ』『時は老いを急ぐ』『他人まかせの自伝 あとづけの詩学』『フェルナンド・ペソア 最後の三日間』『夢のなかの夢』カルヴィーノ『水に流して』(共訳)『サン・ジョヴァンニの道』『魔法の庭』『パロマー』『むずかしい愛』『永遠のファシズム』『小説の森散策』ロッセッリ『闘いの変奏曲』など多数。 |
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翻訳と詩と映像と絵画などをめぐって。
ことばと声と音について。
川端康成/吉本ばなな/リービ英雄/内田百閒/荒川洋治/清水哲男/ぱくきょんみ/四元康祐/小池昌代/天野忠/山田稔/アーサー・ビナード/タブッキ/カルヴィーノ/ボルヘス/エーコ/ピランデッロ/モンターレ/クンデラ/モラヴィア/ヴィスコンティ/パゾリーニ/フェリーニ/アントニオーニ/吉田喜重/武満徹/イサム・ノグチ/デ・キリコ/レンブラント/フォンターナ/宮川淳/マグリット/カンピオン/ディネーセン…他をめぐって
四六 282ページ 2860円(本体2600円+税) 装画=松浦寿夫 ISBN978-4-87995-956-0 C1095 \2600E
![]() | 放浪彗星通信 前世から引き継いできた(?)宇宙的記憶を、すべてつぎ込んで書いた作品集である。どことも知れぬ世界なのに、不思議に懐かしい光景が展開されて、自分でも驚いている。 高柳誠
高柳誠 1950年、愛知県名古屋市生れ。詩集『月の裏側に住む』『大地の貌、火の声/星辰の歌、血の闇』『光うち震える岸へ』『鉱石譜』『廃墟の月時計/風の対位法』『半裸の幼児』『夢々忘るる勿れ』『万象のメテオール』『月光の遠近法』『星間の採譜術』『触感の解析学』(以上三点で藤村記念歴程賞)『イマージュへのオマージュ』『塔』『樹的世界』『アダムズ兄弟商会カタログ第23集』『都市の肖像』(高見順賞)『綾取り人』『卵宇宙/水晶宮/博物誌』(H氏賞)『アリスランド』、集成詩集『高柳誠詩集成I』『高柳誠詩集成II』『詩・生成 高柳誠詩集』ほか、エッセイ集『詩論のための試論』『リーメンシュナイダー』ほか。 |
しずかなしずかな夜明け──しじまの底から音なく届く声。いっとも知れない
今、どことも知れぬ此処に。記憶を揺する人の気配。ときに形をなさず、とき
に影を曳きながら。久しく光を失っていた月が再び点灯され、束の間、宇宙空間
にただよう孤独を照らす。さまよい出る思念のためらい──理由はわからない。
菊変 118ページ 2860円(本体2600円+税) 装画(オブジェ)=勝本みつる ISBN978-4-87995-955-3 C1092 \2600E
タエ・恩寵の道行 「語り得ぬもの」あるいは「了解し得ぬもの」の前で、言葉を失うところから出発してきた。説明を拒否して立ちはだかる非場の裡にしゃがみ、「何を書かなかったのか」のみを喉に立てて、その恩寵をここに差し出したい。 林美脉子
林美脉子 北海道札幌市在住。詩集『エフェメラの夜陰』『黄泉幻記』『宙音』(北海道新聞文学賞詩部門本賞受賞)『新シルル紀・考』『緋のシャンバラへ』『約束の地』『撃つ夏』。第8回ケネス・レクスロス詩賞受賞。 |
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終りなき「テロルと惑乱」に晒される私たち
の日常。神々の血涙が染み出す宇宙は、不定
形に拡がりゆき、その公法秩序を瓦解させる。
星辰にて嗤うものの声は、孤立する人聞の身
中にこそ響き、巣食うのだ。───岡和田晃
菊変略フランス装 116ページ 2750円(本体2500円+税) 栞・帯=岡和田晃 ISBN978-4-87995-954-6 C1092 \2500E
![]() | 風の痕跡 当書は『森へ』で了った私の五十年にわたる大周航の余滴です。言い換えれば、一人の単独者が死力を尽して辿り着いた「森」、その至高点から振り返ったとき見えてきた光景です。 岩成達也
岩成達也 1933年生れ。詩集『森へ』『(いま/ここ)で』『みどり、その日々を過ぎて。』(現代詩花椿賞)『(ひかり)、……擦過。』『「鳥・風・月・花」抄』『フレベヴリイのいる街』『フレベヴリイ・ヒツポポウタムスの唄』(高見順賞)『〈箱船再生〉のためのノート』『中型製氷器についての連続するメモ』(藤村記念歴程賞)『マイクロ・コズモグラフィのための13の小実験』『現代詩文庫 岩成達也詩集』『徐々に外へ・ほか』『燃焼に関する三つの断片』『レオナルドの船に関する断片補足』評論『誤読の飛沫』『詩の方へ』『私の詩論大全』『詩的関係の基礎についての覚書』『磁場とその周辺』 |
闇を感受しようとする
一人の人間の発語──
過ぎて行く風がはこぶ深い問いかけ。
さまざまのことを感得させる
日々の傾き
四六変略フランス装 114ページ 2640円(本体2400円+税) ISBN978-4-87995-953-9 C1092 \2400E
近さと隔たり/存在する、美術 本書は著者の第一著作である。美術館の現場に長くあって、多くの近現代美術作家たちがもたらす胸うずく出会いと感動、そして生きることのありようへの応答を言葉に託す試論集。 編集部
市川政憲 1946年東京生れ。1971年東京国立近代美術館に勤務。2003年、愛知県美術館長に転じ、2007年から14年まで茨城県近代美術館長を勤める。 |
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人はなぜ描くのか。なぜ彫るのか。
作品を観つめて、なぜ心を
揺さぶられるのか。
自然世界と、自然世界にまるごとくるまれて生きる一人の人間と。にもかかわらず、両者のあいだに介在する不一致──その仮構の隔たり=近さを計測し埋めようとする芸術表現の営為に同行する試論。
論じられている作家
ベン・シャーンとリルケ、若林奮、高橋由一、黒田清輝、青木繁、中村彝、安田靫彦、岸田劉生、国吉康雄、野見山暁治、東松照明、エミコ・サワラギ・ギルバート、桑山忠明、多和圭三、鏑木昌弥、堀井英男、河口龍夫、中西夏之、加納光於、岡倉天心─ほか
菊変 344ページ 4400円(本体4000円+税) 装幀=菊地信義 ISBN978-4-87995-952-2 C1071 \4000E
![]() | 立ちどまって 祖国を離れ、自ら歩む者としてさまざまな表現の最前列を行く美術家・李禹煥は、言葉による表現者でもある。著者による十全な推敲改訂を経た決定版詩集。 編集部
李禹煥 1936年、韓国慶南地方に生れる。1956年、来日。67年から美術作品を発表し、国際的に活躍する。美術作品『照応』『風と共に』『点より』『線より』『関係項』ほか、作品集『李禹煥版画全集1970-1998』『LEE UFAN』ほか、著書『余白の芸術』『出会いを求めて』『Selected Writings by Lee Ufan』『時の震え』『The Art of Encounter』ほか。6月に、建築家・安藤忠雄とのコラボレーションで直島に「李禹煥美術館」がオープンした。 |
20世紀末から21世紀初めにかけての詩を書く、あるいは詩を読む場は、どこにあるのだろうか。そのきわめて目覚ましいヒントの一つが、2000年までに書かれ2001年に上梓される李禹煥詩集『立ちどまって』である。(…)それは李禹煥の特殊性ではない。現代に生きている者はすべて真の意味で祖国を持たず、自分を自分たらしめているものを捜しつづけている。そのことの覚者としての李禹煥の作品は、絵も、詩も、つき抜けて明るく、どこか澄んだ笑いをひびかせている。―高橋睦郎
A5 220ページ 3080円(本体2800円+税) 栞=高橋睦郎 ISBN978-4-87995-508-1 C1092 \2800E
村への道 青年期より、枕頭に紙と鉛筆を置いて寝た。一行書いては床に伏し、二行書いては眠った。暗い日常との精神的格闘であった。こうしてわたしは村暮らしを生きてきた。そして今も生きている。 木村迪*夫
木村迪*夫 1935年山形県生れ、同県在住。詩誌「山形詩人」発行代表。詩集『飛ぶ男』詩集『光る朝』(丸山薫賞・山形県詩人会特別賞)『朗読詩集・まぎれ野へ』『いろはにほへとちりぬるを』(現代詩人賞)『マギノ村・夢日記』『まぎれ野の』(晩翠賞)『えれじい』『詩信・村の幻へ』(日本農民文学賞)『地郷』『喪牛記』『若い仲間たちへ贈る言葉』『わが中国紀行』『わが八月十五日』『何かが欠けている』『生きている家』、エッセイ評論小説に『山形の村に赤い鳥が飛んできた』『八月十五日』『収集車人民服務号』『くだものずいそう――〈農〉のイメージの再構築に向けて』『遙かなる足あと――四十年たった戦没家族の手記』『減反騒動記』ほか、編著『講座日本農民 農民と都市住民』など。また、長編ドキュメンタリー映画『無音の叫び声 農民詩人・木村迪*夫物語』がある。 |
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祖母の詠う悲痛な歌を草臥れきった身体の
底に響かせながら、凍える日々に這いのぼ
り、緑萌える日と黄光色の稔りを夢みて走っ
た坂──村の行く末を見詰めつつ、村へと
つらなるその道を、今、ゆっくりとたどる。
菊変 100ページ 2750円(本体2500円+税) 装画=田村明日香 ISBN978-4-87995-951-5 C1092 \2500E
![]() | 意味の彼方へ ――荒川修作に寄り添って 複眼的、領域横断的な視点を共有思考基盤とする私は、荒川修作から終生、篤い信頼と友情を寄せられて来た。本書にはそれに応えるエクリチュールと貴重な証言を収めた。 馬場駿吉
馬場駿吉 1932年名古屋市生れ。俳人。美術評論家。名古屋市立大学名誉教授(耳鼻咽喉科学)、愛知県立芸術大学客員教授、名古屋ボストン美術館館長。評論『加納光於とともに』『星形の言葉を求めて』『時の晶相』『サイクロラマの木霊』『液晶の虹彩』句集『耳海岸』『幻視の博物誌』『海馬の夢』『夢中夢』『薔薇色地獄』『断面』 |
オブジェから
コーディノロジーまで
沈思の底から、
うねり立ち昇り暴発する
荒川修作の作品・
天命反転コーディノロジーの
出現に立ち会う。
四六 154ページ(図版16ページ) 2200円(本体2000円+税) 装幀=菊地信義 ISBN978-4-87995-950-8 C1071 \2000E
宙の上 明滅する意識のゆらぎの中から立ち現れる心象。思惟と官能とが合体し、明瞭な音節となって発せられる。言葉が音声的官能を帯びて詩語となる瞬間、詩が成立する――と思っている。 是永駿
是永駿 1943年門司市生れ、大分市で育つ。中国現代文学、とりわけ現代詩の翻訳紹介に専心する。訳書に北島『北島(ペイタオ)詩集』詩集『ブラックボックス』小説『波動』芒克詩集『時間のない時間』『芒克(マンク)詩集』(藤村記念歴程賞)『戈麦(ゴーマイ)詩集』など、共編訳書に『台湾現代詩集』『現代中国詩集』などがある。 |
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そらのうえ──そこでも、やわらかな雨が谷を
ぬらし、小鳥と少女はさらなる天空をめざし、
男たちは迷い行き、女たちも時には笑みをこぼ
し、白い花びらが音もなく散る、のだろうか…。
A5変 96ページ 2640円(本体2400円+税) ISBN978-4-87995-949-2 C1092 \2400E
![]() | 道隠し 能面を打っている。打ち始めた頃は見えていなかった様々なところが、作を重ねるにつれて見えてくる。分厚い木の塊を彫り身の部分を削ぎ落すと、遙かなる時の表情が浮かび上がる。 瀧克則
瀧克則 1948年、大阪・堺市生れ。詩集『足の冷える場所』『墓を数えた日』(第一回小野十三郎賞受賞)『軟體』『器物』『水の根』 |
見るべきものを見させ、
あまつさえ見えないものをも
見させる細道にわけ入る。
今と未来を隔て繋ぐものでありながら、
深い渓に迷わせるであろう道をたどる。
A5変 110ページ 2750円(本体2500円+税) 装画装幀=倉本修 ISBN978-4-87995-948-5 C1092 \2500E
高柳誠詩集成II 自らの資質に沈潜することと、詩の新たな領域を開拓することは、果たして両立可能なのか――そんな思いを秘めて書いた作品群である。各作品の手応えは今でも覚えているのだが…。 高柳誠
高柳誠 1950年、愛知県名古屋市生れ。詩集『高柳誠詩集成I』『月の裏側に住む』『大地の貌、火の声/星辰の歌、血の闇』『光うち震える岸へ』『鉱石譜』『廃墟の月時計/風の対位法』{『半裸の幼児』『夢々忘るる勿れ』『万象のメテオール』『イマージュへのオマージュ』}『塔』『樹的世界』『アダムズ兄弟商会カタログ第23集』『都市の肖像』(高見順賞)『綾取り人』『卵宇宙/水晶宮/博物誌』(H氏賞)『アリスランド』、『高柳誠詩集』、詩画集{『月光の遠近法』(画=建石修志)『星間の採譜術』(画=小林健二)『触感の解析学』(画=北川健次)}(以上三点で藤村記念歴程賞)、訳詩集『詩の標本箱』(訳=浅井イゾルデ)、エッセイ集『詩論のための試論』『リーメンシュナイダー』『日本の現代詩』(共著=那珂太郎・時里二郎)ほか。本集成には、波括弧で囲んだ四詩集、三詩画集を収録。 |
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詩の言葉──虚の淵から噴出し、私たちの内部に塞ぎがたい幾つもの穿孔をうがつ。
四六 482ページ+栞12ページ 4180円(本体3800円+税) 栞=柄澤齊・山尾悠子 装幀=白井敬尚 ISBN978-4-87995-947-8 C1092 \3800E
![]() | 魂踏み 七年ぶりの詩集として『魂踏み』と『あめだま』を同時に出すことにした。『魂踏み』には夕焼けや魂を巡る幻影のような詩を中心に41篇。今を生きる抒情を自らに問いながら。 能祖將夫
能祖將夫 1958年愛媛県新居浜市生まれ。第一詩集『曇りの日』、2015年第4回びーぐるの新人、神奈川県相模原市在住。 |
夕陽と猫と魂と…梟と螢と泣き止まない子供と
…大人になった私を追いかけてくるのは誰?
子供のままの私が追いかけているのは何? と
つぜんおそってきたかなしみを、踏んで踏んで。
A5変 114ページ 2420円(本体2200円+税) 装画=三嶋典東 ISBN978-4-87995-945-4 C1092 \2200E
あめだま 七年ぶりの詩集として『あめだま』と『魂踏み』を同時に出すことにした。『あめだま』には実生活に材をもとめたものを中心に30篇。日々を生き抜く抒情を自らに課しながら。 能祖將夫
能祖將夫 1958年愛媛県新居浜市生まれ。第一詩集『曇りの日』、2015年第4回びーぐるの新人、神奈川県相模原市在住。 |
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わけのわからないままに、この世というところ
に押し出されてきた日から、夕陽に似た何かを
頼りに歩いている。てくてくと。どこに向かっ
て? 少しだけ息を深くして、風をまねてみる。
A5変 114ページ 2420円(本体2200円+税) 装画=三嶋典東 ISBN978-4-87995-944-7 C1092 \2200E
![]() | 夢想の大地におがたまの花が降る 一句で世界のすべてを表現することが可能ではないだろうか。万物と人と俳句のあいだに共通するかたちがある。東と西の土地を歩きながら、その仕組みを考えた。 四ッ谷龍
四ッ谷龍 1958年生れ。俳人。1983年、現代俳句評論賞受賞。個人誌「むしめがね」編集発行人。句集『大いなる項目』『セレクション俳人22・四ッ谷龍集』『慈愛』、共著『LES HERBES M'APPELLENT〔草に呼ばれぬ〕』(冬野虹・ティエリー・カザルスとの共著)ほか。 |
反響し、谺する言葉。
揺れ続ける音と形象の境を浮遊する…憂鬱
からの恢復…武蔵野の地形の探求…災禍の
衝撃…天界と冥界の混交…全感覚の融合…
おがたま〔小賀玉、招霊〕:
モクレン科オガタマノキ属の常緑高木。三月から四月にかけて、直径3cmの花をつける。12枚の細い花被片は、尖のほうが白く、基部がうす赤い。モクレン科特有の甘い香りがするが、その芳香は儚いものである。神木として扱われ、熊野速玉大社、京都白峯神宮などの境内に植えられたものがとくによく知られている。自生の北限は房総半島南部で、東京以北に野生状態の木を見ることは稀である。
四六変 144ページ 2640円(本体2400円+税) ISBN978-4-87995-943-0 C1092 \2400E
化石詩人は御免だぜ、でも言葉は。 どんどん詩が書ける。良し悪しはともかく、次々に詩が書けるのが楽しく嬉しい。八十歳を越えてまるで高校生の頃のようだ。その老人の初々しさに付き合ってもらえれば、また嬉しい。 鈴木志郎康
鈴木志郎康 1935年生れ。詩集に『どんどん詩を書いちゃえで詩を書いた』『ペチャブル詩人』(丸山豊記念現代詩賞)『攻勢の姿勢 1958-1971』『声の生地』(萩原朔太郎賞)『胡桃ポインタ』(高見順賞)『石の風』『遠い人の声に振り向く』『タセン(躱閃)』『わたくしの幽霊』『家の中の殺意』『家庭教訓劇怨恨猥雑篇』『罐製同棲又は陥穽への逃走』(H氏賞)ほか、評論集に『結局、極私的ラディカリズムなんだ』『映画素志』『写真有心』『いま、詩を書くということ』『穂先を渡る』『純粋身体』『純粋桃色大衆』ほか、写真集に『眉宇の半球』、映像作品に『山北作業所』『内面のお話』『風の積分』『15日間』『写さない夜』『草の影を刈る』『日没の印象』ほか。 |
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生きるから詩を書く。「極私詩」27篇。
ホイチャッポ、チャッポリ。新詩集。
菊変 258ページ 3300円(本体3000円+税) 装画=海老塚耕一 ISBN978-4-87995-942-3 C1092 \3000E
![]() | おおきな一枚の布 長く関西に暮らしていると、関西に関わる大きな事故や災害は不思議と、5のつく年に起こるものだと覚悟していた。夕べの事故と明け方の地震。いまもその非日常の夢を見る。 服部誕
服部誕 1952年、兵庫県芦屋市生れ。現在は大阪府箕面市在住。詩集『空を飛ぶ男からきいたという話と十八の詩篇』『首飴その他の詩篇』 |
冷徹なリアリズムと奇怪な幻想を携えて、作者は突然現れて、私たち詩仲間を驚かせた。サラリーマン生活者の苦い酒と家族の肖像が正しく刺繍されている一枚の大きな布。定年を過ぎて、作者の中の何者かが、深いいたわりをもって、丁寧にその人生の布を畳もうとしている。それはほとんど祈りに似た行為である。包まれた布から最終電車の悲鳴に似たベルが今なお聞こえて来る。出色の詩集と思う。─以倉紘平
A5略フランス装 88ページ 2640円(本体2400円+税) ISBN978-4-87995-941-6 C1092 \2400E
有翼樹 葦間に水漬くハイヒール/羽ばたかず手は膝のうへ夕端居/このたびは良夜のはうへ暮れゆけず/脳天の皺ぱつくりとチビ太寒(ザム)/見かけしが家猫もはや恋の猫 打田峨者ん |
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ユーラシア葦間に水漬くハイヒール(連作)
羽ばたかず手は膝のうへ夕端居
月仰ぐ喪装の集団 神楽坂(句日記)
このたびは良夜の方へ暮れゆけず
脳天の皺ぱっくりとチビ太寒(ザム)(雑之部)
見かけしが家猫もはや恋の猫(春之部)
地平線 昏(クラ)き雪眼に水草(ミクサ)生(オ)ふ
しんがりも有刺線(バラセン)くぐり風光る
佐保姫のいらち踏み脱ぐ霞かな
A5変 164ページ 2750円(本体2500円+税) 飾画=内田峨 ISBN978-4-87995-940-9 Cl092 \2500E
![]() | 日本モダニズムの未帰還状態 先に上梓したゴッホ論のテーマでもあった「別の近代」を提示する試みを引き継ぎ、今回は、モダニズムの単一性へと帰着する回路を脱け出て、更新され変容し続けるための二重性の創出へと向かう方途を探った。 矢野静明
矢野静明 1955年生れ。画家。著書に『矢野静明作品集成』『絵画以前の問いから』、個展「線描に関する断章」「色彩に関する断章」「種差enclave」「移動・移民」「アルトープール」「図形に向かって滲みだす」「映像からの落ち穂拾い」「異種交配を」ほか。 |
瀧口修造・北園克衛・鮎川信夫はいかに考えたのか。
問い返す矢野静明
瑛九・靉光・ベーコン・ゴッホはどのように描くのか。
世界を構成しながらも世界と対立する20世紀の、そして今世紀の芸術家たち…人はどのような思考に拠れば世界と共に、今をあらしめ、今を変容させ続けられるのか。絵画現場からの問い。
四六変 258ページ 3080円(本体2800円+税) ISBN978-4-87995-939-3 Cl370 \2800E
逸げて來る羔羊 様々な主題を技巧を尽して表現する詩的実験として、10首一連の連作短歌を作り続けて来た。その内の近什60篇を集成する。内省的だが攻撃的でもある、特別な歌集となった。 石井辰彦 石井辰彦 1952年生れ。歌人。創作に『ローマで犬だつた』『詩を弃て去つて』『蛇の舌』『全人類が老いた夜』『百花残る。と聞きもし、見もし……』(共同制作=西山美な子)『海の空虚』『バスハウス』『墓』『七竈』、評論『現代詩としての短歌』 |
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にげてくるこひつじ─そのおののきとあらがい 石井辰彦 連作短歌 …一匹(イッピキ)の羔羊(こひつじ)が逸(に)げ來る
嗟嘆とともにあるほかない、未来へのひそやかな呼びかけ……白皙の(敗衣の)羊飼に問ふ。─何故に爾の羊は鳴かぬ/是の世の誰そ彼時に、ひとり問ふ。─何故あの夏に死ななかつたか?
四六変 268ページ付録16ページ 3080円(本体2800円+税) ISBN978-4-87995-936-2 Cl392 \2800E
![]() | 音叉の森 かつて声の森にわけ入り未聞の世界に共振した詩人が、いま重なる「苦」の下に遠鳴のように起きたこと、起こることに耳をこらす。その時、文語定型の軛が弾みのある翼ともなった。 相澤啓三 相澤啓三 1929年生れ。詩集『冬至の薔薇』『交換』『マンゴー幻想』(高見順賞受賞)『孔雀荘の出来事』『五月の笹が峰』『沈黙の音楽』『罪の変奏』『眼の殃』『ミス・プリーのとろけもの園遊会』『墜ちよ少年』『裸のままの十の詩その他の詩』『肉の鋏』『声の森・水の肋』『北方』『狂気の処女の唄』、歌集『光源なき灯台』『風の仕事』、詩画集『悪徳の暹羅雙生児』(画=建石修志)『魔王連祷』(画=横尾龍彦)、旅行記『仏陀の旅』(写真=福田徳郎)、音楽評論『オペラ・アリア・ベスト101』『オペラ・オペラ・オペラ―天井桟敷のファンからの』『オペラ知ったかぶり』『オペラ・アリア・ブック』『オペラの快楽』『音楽という戯れ』『そして音楽の船に』『猫のための音楽』 |
滅びの相の下に起きたこと、起ころうとすることに耳をこらす──詩人の魂に記憶の歎きと予兆の響きを伝える弾みある翼・短歌の形
樫の木の緑重しと見ゆるときさゆらぐ峡(かひ)の林を恋へり
ダンベルで鍛へ水夫と抱き合はむコルヴォー男爵に貴腐の雉肉
手術室へ病院の迷路押し渡り死の舟となるベッドもあらむ
ひたひたと鉄階段をひたくだり事の外側にいつまで生くる
ワイングラスかたへに愛の楽章をい寝(ね)ぬそのまま覚めざらましを
A5変 180ページ 3080円(本体2800円+税) 装画=建石修志 ISBN978-4-87995-938-6 Cl092 \2800E
夢みる卵と 空の青 ふつふつ心に湧いてくるもの。時間と共にますます色濃く鮮明になっていく、その思いや考えを単なる描写や印象で終わらせず、少ない言葉で多くを伝えたい。ギリギリの極みで。 峰岸了子
峰岸了子 1944年生れ。詩集『ことばあそび』(画=こがしわかおり)『いつしか 風になる』『かあさん』『恋文みたいに』『私の神は』『過去からの手紙』『三月の溺死』『たかが詩されど詩』『未知の季節に生きるのは』『習性のためのデッサン』『さらにもうひとつの朝が』アンソロジー『Continuation of Tomorrow 明日の続き』 |
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やがてすべてが終わると
俺のあとを埋めるかのような
小さないのちの灯りが
ぽ
そしてまた 物語が始まる
A5変 106ページ 2750円(本体2500円+税) 装画=峰岸伸輔 ISBN978-4-87995-937-9 Cl092 \2500E
![]() | 点滅する光に誘われて この詩集は夫・稲垣瑞雄が自分の手で出版したいと思っていた詩集です――楢信子/2013年に闘病の末に亡くなった詩人が、病床でもペンを手放さず、筐底に置いて夫人に託した詩作群を集成。
稲垣瑞雄 1932―2013。愛知県豊橋市出身。62年、同人誌「ドン」に参加。74年から楢信子と二人誌「双鷲」を年2回発行。詩集『半裸の日々』『淡きものたちよ』『地の魚 星の魚』『月と蜉蝣』『神の礫』『海亀に聴け』『音の絵』、短篇小説集『泰山木』『鮎のいる川』『朱光院』『銀しゃり抄』『風の匠』『砂の記憶』『石の証言―米軍捕虜虐殺事件』『残り鮎』 |
いのちあるものたちへの慈しみを隠し抱きながらも、強靭な諧謔精神と痛快な言葉遊びと激しい叛きの姿勢を保持しつづけることによって、生の深奥へ降り行く詩人──未刊行詩群を集成
A5変 206ページ 3080円(本体2800円+税) 装幀=中島浩 ISBN978-4-87995-935-5 C1092 \2800E
渋田川幻想 詩は一瞬に生まれる丸い水滴のようなもの。どんなに小さくても小さな宇宙を保っているのだから。時の流れの中で自らの存在の意味を問う詩人の魂のさけびに耳を傾けていただきたい。 河崎征俊
河崎征俊 1944年生れ。詩集『夜へむかう陰影のオード』『海でカケスが翔んでいる風景』『ショパンの眠り』『閉ざされた沈黙』、翻訳書にフライ『同一性の寓話―詩的神話学の研究』ナイト『煉獄の火輪―シェイクスピア悲劇の解釈』ほか、研究書に『チョーサーと英米文学』『テクストの言語と読み』『中世文学への巡礼の道』『ワーズワス「序曲」論集』『チョーサーの「バースの女房」をめぐって』『チョーサーの詩学』『チョーサー文学の世界』ほか。 |
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すきとおった水滴のような詩の言葉──小さな記憶の織り成す枝道を転びゆき、細い叫びのような生の無数のふるえを集め、宇宙大の水滴幻像を映し出す。
菊変 234ページ 3300円(本体3000円+税) 栞=東雄一郎・井上輝夫・繁尾久 ISBN978-4-87995-934-8 Cl092 \3000E
![]() | カラダと生命――超時代ダンス論 カラダは常に時代を呼吸し、時代と共に生きています。こんな時代になるとは…天と地、光と闇がひっくりかえるような…この本は昨年一年間の、現在進行形の戦いから生まれた文章です。 笠井叡
笠井叡 1943年生れ。舞踏家。大野一雄・土方巽に親炙し、多くの舞踏公演を世界各地で行う。またオイリュトミーシューレ天使館を主催する。著書に『カラダという書物』『未来の舞踊』『神々の黄昏』『精霊舞踏』『天使論』、写真集に『透明迷宮』(写真=細江英公)『銀河革命』『ダンスドゥーブル』など。 |
身体とともに時代の中に在るということ
考え尽す 笠井叡
時空を超えて、今あろうとする命、ということ
混迷と変容の真只中に在る21世紀の人間──植物生命動物生命を摂取することで鉱物を体内に獲得する人間生命は、今や、悠久の鉱物生命の一環としてのみ在り得るのではないか。
四六変 460ページ 3520円(本体3200円+税) 写真=神山貞治郎 ISBN978-4-87995-933-1 Cl373 \3200E
高柳誠詩集成I 初期の七詩集を収めた詩集成である。遠いようで近い、近いようで遠い、不思議に遠近感を失った世界に感じられる。個々の詩的宇宙が七つまとまると、どんな相貌を見せてくれるのだろう。 高柳誠
高柳誠 1950年、愛知県名古屋市生れ。詩集『月の裏側に住む』『大地の貌、火の声/星辰の歌、血の闇』『光うち震える岸へ』『鉱石譜』『廃墟の月時計/風の対位法』『半裸の幼児』『夢々忘るる勿れ』『万象のメテオール』『イマージュへのオマージュ』{『塔』『樹的世界』『アダムズ兄弟商会カタログ第23集』『都市の肖像』(高見順賞)『綾取り人』『卵宇宙/水晶宮/博物誌』(H氏賞)『アリスランド』}(本集成には波括弧で囲んだ7詩集を収録)、詩画集『月光の遠近法』(画=建石修志)『星間の採譜術』(画=小林健二)『触感の解析学』(画=北川健次)(以上三点で藤村記念歴程賞)、集成詩集『高柳誠詩集』、訳詩集『詩の標本箱』(訳=浅井イゾルデ)、エッセイ集『詩論のための試論』『リーメンシュナイダー』『日本の現代詩』(共著=那珂太郎・時里二郎)ほか。 |
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「世界」と「私」の間にあって、「詩の言葉」は何を生きるのか──生のたぎりをあらしめ、映し出し、虚の深淵に投げ込むのではなかろうか。
四六 474ページ+栞12ページ 4180円(本体3800円+税) 栞=高山宏・阿部日奈子 装幀=白井敬尚 ISBN978-4-87995-932-4 C1092 \3800E
![]() | 午後の航行、その後の。 「おれ」は左遷され、二男に子ができる。するとメトロポリスの女は去っていき、末期がんの蒔絵師は死ぬ。雪坂下の女に通いつつも、故郷の女に拒絶され、それを口実に「おれ」は故郷を捨てる……。 高啓
高啓 1957年、秋田県生れ。山形市在住。詩集『女のいない七月』『ザック・デ・ラ・ロッチャは何処へいった?』『母を消す日』『母のない子は日に一度死ぬ』ほか。 |
流れにつかり、小舟を推す。
片腕に
悪い心を詰め込んだ袋をぶら下げ
むずかる幼い者を抱きながら。
──きみは生きたいように生きることができるか。
A5変 80ページ 2640円(本体2400円+税) 装画=宮﨑恵子 ISBN978-4-87995-931-7 Cl092 \2400E
風の本――〈枕草子〉のための30のエスキス 眉にしわを寄せず、寝そべって読んでください。眠ってしまったって、かまいません。あなたが目をさましたとき、あしもとの日々がこの本のページと地続きでありますように。 相沢正一郎
相沢正一郎 1950年生れ。詩集『プロスペロ―の庭』『テーブルの上のひつじ雲/テーブルの下のミルクティーという名の犬』(藤村記念歴程賞受賞)『パルナッソスへの旅』(H氏賞受賞)『ミツバチの惑星』『ふいに天使が きみのテーブルに着いたとしても』『リチャード・ブローティガンの台所』ほか。 |
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風がやってきて本のページを繰る。
ページの陰に潜んでいたものたちが身を起す。
とぼとぼ辿るデコボコ坂でわたしを追い越し
一千年後の不安な目覚めへと吹き送られる。
A5変 100ページ 2640円(本体2400円+税) 装画=相沢律子 ISBN978-4-87995-930-0 Cl092 \2400E
![]() | 久美泥日誌 本書はわが「抒情小曲集」。若い「ぼく」と老いた「私」が恋する主体を分有しつつ、「久美泥」(クミネ=組み寝?)を織り上げていきます。暴動の匂い、夜の武蔵野、脳梁をつたう水… 野村喜和夫
野村喜和夫 1951年生れ。詩集『芭(塔(把(波』『難解な自転車』(歴程賞)『ヌードな日々』『ZOLO』『言葉たちは芝居をつづけよ、つまり移動を、移動を』『plan14』『稲妻狩』『スペクタクル』『街の衣のいちまい下の虹は蛇だ』『ニューインスピレーション』(現代詩花椿賞)『幸福な物質』『風の配分』(高見順賞)『草すなわちポエジー』『特性のない陽のもとに』(歴程新鋭賞)『わがリゾート』ほか、エッセイ・評論に『萩原朔太郎』(歴程賞)『移動と律動と眩暈と』(鮎川信夫賞)『詩のガイアをもとめて』『オルフェウス的主題』『現代詩作マニュアル』『金子光晴を読もう』『二十一世紀ポエジー計画』『散文センター』など、ほかに翻訳・詩画集がある。 |
かつての日
きみはぼくの前に出現した。
まばゆいばかりの姿で。
今、
星を食べる者、行く先を知らぬまま歩く者、
──老いた私。
脳の皺のそちこちに、
魂の中心にぽっかりあいた穴に、
見え隠れする
きみ。
A5変 96ページ 2640円(本体2400円+税) ISBN978-4-87995-929-4 Cl092 \2400E
ケンポナシの木蔭で でんぐりかえってホイ でんぐりかえってホイ ハリネズミといっしょにひと巡り 手のひらサイズのワンダーランド 岩辺進 |
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野原を歩む
鳥たち花たち虫たちと蜂飼う人と……
広い野原の日々に小さな輝きを見せるものたち。
四六変 96ページ 1320円(本体1200円+税) 写真=岩辺進 ISBN978-4-87995-927-0 C1095 \1200E
![]() | 女のひとと鳥 いい絵を見ると、イメージがふくらみ、自然に言葉が浮かんできます。脇田和さんの絵には、心をふくらませる力が備わっているのでしょう。浮かんだ言葉もニュアンスのあるものとなり、絵と言葉はハーモナイズされます。フランス語訳の詩も入れ、ハーモニーをふくらませてみました。 朝倉勇
朝倉勇 1931年生れ。詩集『散骨の場所』『みてみたい』『田園スケッチ』『鳥の歌』(丸山豊記念現代詩賞)『麻布仙台坂の日曜日』『神田川を地下鉄丸の内線電車が渡るとき』『鬼の蟲』『十月の幕』『掟』、物語『ポールと小鳥』(絵=安野光雅) |
B5変 38ページ 2200円(本体2000円+税) 協力=脇田美術館 仏訳指導=ミレイユ・ラサモエラ 装幀=サダヒロカズノリ ISBN978-4-87995-923-2 Cl092 \2000E
ナポレオン食堂 詩は、日本語を使うすべての人のものだ。女が書く詩は男に向けられるべきだし、そのように世の中が熟成していけば、いつか男が書く詩が女に向けられるようになると思う。 青山雨子 |
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おーい、その先は国境だぞ──そんなことは気にも留めない。入り
乱れる記憶と夢と現実の境を踏み越えてゆく賑かな人たちの足取り。
A5変 88ページ 2640円(本体2400円+税) 装幀=青山咲子 図案=田畑裕三郎 ISBN978-4-87995-926-3 C1092 \2400E
![]() | 自画像のための忠実な画布 詩は言葉で描かれる一枚の自画像なのかもしれません。鏡に映る諸々のもの、さらには鏡に映らないものをも描き得た時、詩は画布の中に内なるものを視ることができるのでしょう。 熊沢加代子
熊沢加代子 1947年福岡県生れ。詩集『子供の情景』『応用問題』『SEE SAW』 |
もうカクレンボはしない
したくても出来ない…空にくっきりと線を描く飛行機雲。
だが、自画像はそうはゆかない。見えない線も描かれる。
姿を隠すのではなく、複雑に描き加えられ、見つけられる
ことなく消える線──日々の輝翳に応答しようとする思索。
A5変 106ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-928-7 Cl092 \2500E
氷菓とカンタータ 夏の菓子では葛桜よりアイスキャンデーが好きです。早く溶ける物は美しい。雲はすべて水であるといった女性天文学者の言葉も好きです。私の詩もそうありたい。 財部鳥子
財部鳥子 1933年新潟生れ。中国東北で育つ。1946年、日本へ引き揚げる。主な詩集に『胡桃を割る人』『衰耄する女詩人の日々』『モノクロ・クロノス』(詩歌文学館賞)『烏有の人』(萩原朔太郎賞)『中庭幻灯片』(現代詩花椿賞)『西游記』(地球賞)『腐蝕と凍結』『わたしが子供だったころ』、小説『天府 冥府』、エッセイ『猫柳祭―犀星の満洲』『無垢の光』『詩の贈りもの12カ月』、翻訳(共訳)『現代中国詩集・チャイナミスト』『億万のかがやく太陽』などがある。 |
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美しい音楽にかさなって聞こえてくるもう一つ
の小さな響き───細ることなく消えることも
ない記憶を拳に握りしめ、世界で一番さびしい
少年が走る。大江の川波にむかって、「おーい」
と叫んでいる。遠い未来が少しかすんで揺れる。
A5変 152ページ 2860円(本体2600円+税) 装幀=金山常吉 ISBN978-4-87995-925-6 Cl092 \2600E
![]() | 森が棲む男 物のなかに広がる宇宙。あるいは宇宙のなかで震えるわたしたちと物との関係。生きていると言う、つまりは消えゆく存在。そうした孤独な震えが読者に届きますように。 宇佐美孝二
宇佐美孝二 1954年生れ。詩集『空の擬音が、ふ』『僕の太りかたなど』『浮かぶ箱』(中日詩賞)『虫類戯画』(詩と創造賞)『ひかる雨がふりそそぐ庭にいて』 |
生きることの陰を帯びながらひそやかにただ在る
物たち…ざわめき生きる物たち…。それら物たち
の息づきと震え。切れ切れの悲鳴のような。記憶
の底に棲みついている森の透明な物語りのような。
A5変 134ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-924-9 Cl092 \2500E
樹下 とある立木の根方に置かれた石くれの中で、摩滅しかかった人の形がかすかな微笑を浮かべている。道祖神か、それとも地蔵尊か、その無言のたたずまいが、たぶん、いまの私にとっては詩をなすのだ。 安藤元雄
安藤元雄 1934年生れ。詩集『わがノルマンディー』(藤村記念歴程賞・詩歌文学館賞受賞)『フーガの技法』『めぐりの歌』(萩原朔太郎賞受賞)『カドミウム・グリーン』『夜の音』(現代詩花椿賞受賞)『この街のほろびるとき』『水の中の歳月』(高見順賞受賞)『イタリアの珊瑚』『椅子をめぐって』『船とその歌』『秋の鎮魂』、集成詩集『現代詩文庫・安藤元雄詩集』『現代詩文庫・続安藤元雄詩集』、詩論『フランス詩の散歩道』ほか、翻訳に『シュペルヴィエル詩集』ボードレール『悪の華』マラルメ『折りふしの詩句』、『フランス名詩選』(共訳)ベケット『モロイ』『名づけ得ぬもの』、グラック『シルトの浜辺』『アルゴールの城』ほか多数がある。 |
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樹があって 私がいて
その二つが実は同じことで……
風に葉先と視覚が揺らぎ、木漏れ日がころがる。小鳥た
ちと雨粒の飛来を受け入れ、落ち葉の退散も芽吹きの再
来も認める。すでに喪っているはずのものが身内で疼く
のを確かめ、ゆっくりと通り過ぎて行くものを感じ取る。
A5変 88ページ 2640円(本体2400円+税) 装幀=菊地信義 ISBN978-4-87995-922-5 Cl092 \2400E
![]() | 飛びたたせなかったほうの蝶々 底にある泥から浮かび上がる夢の泡。そんなものを掬い取ろうとして、この四年間も同じ場所にいつづけました。飛びたたせずにあった声も、水や風、人の流れに乗せてみることにいたしましょう。 岬多可子
岬多可子 1967年生れ。詩集『静かに、毀れている庭』(小野市詩歌文学賞受賞)『桜病院周辺』(高見順賞受賞)『花の残り』『官能検査室』 |
…世界は狂おしく荒れ壊れた…それから…内
深くに秘匿されているものが、底の知れない
虚空で、身をねじ切るように羽を震わす──
A5変 158ページ 2860円(本体2600円+税) ISBN978-4-87995-921-8 Cl092 \2600E
桜まいり 晴れた日に曇りの日に雪の日に風のふく嵐の日にも立ちどまりうずくまるかたちで言葉があり今日をめくり明日をめくり遠い日をめくるように記憶をめくると詩があります。 鈴木東海子
鈴木東海子 1945年生れ。詩集『草窓のかたち』『野の足音』『黒兎の家』『類夢』『旅の肖像画』『日本だち』『町立病院の朝食』『後向き青空』『ロープ付きジャンプ』『補助なし自転車のペダル』、エッセイ『詩の尺度』『詩の声』がある。 |
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〈どこまでも行くよ。
〈ひかりのなかね。
──木々のあいだ、花々のなかを囁きかわす声。私の内奥を
揺すり鎮める響きだ。遙かな人に届ける、いくつものよびかけ。
菊変 96ページ 2640円(本体2400円+税) 装画=鈴木研之輔 ISBN978-4-87995-920-1 Cl092 \2400E
![]() | 伴侶 |
言葉の極北で表現を紡いだ作家の小品。時の層の下に拉がれた身体を把捉しようとする精神の闇の底で、少年期の煌く記憶を綴合せ、存在の不確かな光輝を手さぐる
7月15日発売予定 四六変 115ページ 2200円(本体2000円+税) ISBN978-4-87995-207-3 C1398 \2000E
また終わるために |
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きちがいじみた思い出の堆肥としての生を見つめるベケット。終局まで「死の時」を重ねる生を描く。
二つの言語で書くベケットはまた、寒々とした生の現実を不可思議なおかしみとして描く。自身の内部に響いている幾つもの声・思考の呟きを聞く。
四六変 115ページ 2200円(本体2000円+税) ISBN978-4-87995-420-6 C1397 \2000E
![]() | いざ最悪の方へ |
宙を切り身を細らせる隕石、そのかけらが放つ閃光にも似たベケット最後のつぶやき。ことの始まり、すなわち終りの始まり、終りの終りに視線を定めるベケット。〈なにを──なんと言うか──〉自己・言葉の交響とその消尽を見届ける。
7月15日発売予定 四六変 115ページ 2200円(本体2000円+税) ISBN978-4-87995-471-8 C1397 \2000E
加納光於とともに 加納光於の作品・人との親交は半世紀を超える。加納さんは多彩な美術領域を踏破し、今なお全身的画業の手を休めない。そこに伴走させていただいた体験を言語化し、一冊に編んだ。 馬場駿吉
馬場駿吉 1933年、名古屋市生れ。俳人・現代芸術評論家。耳鼻咽喉科学の権威として世界的に活動している。現・名古屋ボストン美術館館長。評論に『星形の言葉を求めて』『時の晶相』『サイクロラマの木霊』『液晶の虹彩』、句集に『耳海岸』『幻視の博物誌』(森眞吾との句画集)『海馬の夢』『夢中夢』『薔薇色地獄』『断面』がある。 |
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疾駆する加納光於の画業に並走する50年の思考
共震する精神の接近─3度にわたる対話を併録
画家と並走する思考の軌跡
四六変 178ページ 2200円(本体2000円+税) 加納光於作品8点印刷再現収録 装幀=菊地信義 ISBN978-4-87995-919-5 C1071 \2000E
![]() | 楡時間─「組曲類」 天心には蜜がベットリ 馬乳は桶に/刻々古る青き遊星 蟻急ぐ/楡時間 柄の腐れたる霧の斧//ライト前 水の春なり 草野球/後逸と見るや韋駄天 猫柳/邪飛ひとつ春水に墜つ 地平線 打田峨者ん
打田峨者ん 1950年11月、東京小金井生れ。句集に『光速樹』『暴君龍忌』。詩画集に『プロメテウス・コンプレックス』(内田晃名義)。また画家・内田峨としても活動している。 |
天心には蜜がベットリ 馬乳は桶に
刻々古る青き遊星 蟻急ぐ
真闇より黝し 未明の楡新樹
負ひ来たる母なる望楼 地平線
白息に濡るる骨笛 降る降る雪
「楡時間〉四季〈巡礼の斧」より
ライトまへ水の春なり 草野球
後逸と見るや牟駄天 猫柳
永き日のセカンド・ライナー 拝み捕り
邪飛ひとつ春水に墜つ 地平線
「球春地平線」より
A5変 138ページ 2860円(本体2600円+税) 飾画=内田峨 ISBN978-4-87995-918-8 Cl092 \2600E
F・ヨーゼフ 『F・ヨーゼフ』は、カフカ『城』の測量士Kが謎めいた動機によってヨーゼフと騙ることを引用としながら、取り違えという劇場での、あざとさと無意識の奇妙なバランス、分身と解釈を生んでゆく手紙のような連作になっている。 小林弘明 |
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F・ヨーゼフとは誰なのか?
クリミア半島に立ち迷う消え消えの影。
翳りは深まりながら遁れてゆく。
幾度も幾度も試みられる接近。
掻き消えまた現われる虹を欠片として捕えようとして。
…彼は、あなたの、私の写像なのかもしれない…
…誘惑の囁きが響く…カフカの?…
菊変 134ページ 2860円(本体2600円+税) ISBN978-4-87995-915-7 Cl092 \2600
![]() | どんどん詩を書いちゃえで詩を書いた わたしは自分の人生を今まで何回もひねってきたんですね。この「どんどん詩を書いちゃえで詩を書いた」はわたしの人生の最後の「ひねり」かな、なんて思ったりしてます。 鈴木志郎康
鈴木志郎康 1935年生れ。詩集に『ペチャブル詩人』(丸山豊記念現代詩賞)『攻勢の姿勢 1958-1971』『声の生地』(萩原朔太郎賞)『胡桃ポインタ』(高見順賞)『石の風』『遠い人の声に振り向く』『タセン(躱閃)』『わたくしの幽霊』『家の中の殺意』『家庭教訓劇怨恨猥雑篇』『罐製同棲又は陥穽への逃走』(H氏賞)ほか、評論集に『結局、極私的ラディカリズムなんだ』『映画素志』『写真有心』『いま、詩を書くということ』『穂先を渡る』『純粋身体』『純粋桃色大衆』ほか、写真集に『眉宇の半球』、映像作品に『山北作業所』『内面のお話』『風の積分』『15日間』『写さない夜』『草の影を刈る』『日没の印象』ほか。 |
詩のことばはどこにもかしこにもころがっているわけではない。どんどん読んじゃえ……コレ詩ダヨ。うんっぐっく。
菊変 170ページ 3080円(本体2800円+税) 装画装幀=海老塚耕一 ISBN978-4-87995-917-1 C1092 \2800E
月の庭│庭の月 「食らうべき詩」たろうとしてできた集。風景の心象化にも心象の風景化にも偏らぬ言葉…とだけ念じ、ぽつぽつ書いたり長く書かなかったりの後の、ようやくの開始点です。 渡辺彰 渡辺彰 1954年、愛媛生れ。詩集『風の頬まで』『谷間からの15編』 |
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一本の木のある庭。
月の光があるだけの庭。
──ふりそそぎあふれくつがえり行き悩む言葉の洪水。
A5変 114ページ 2750円(本体2500円+税) ISBN978-4-87995-916-4 Cl092 \2500E
![]() | 冬野虹作品集成 第�鬼�=俳句――『雪予報』『網目』/栞=吉岡実・中西夏之/A5変型・264頁 俳句、自由詩、短歌、散文などさまざまな分野にひろがりを持ちながら、冬野虹の作品は形式の間に落差を感じさせない。無限の想像力が、ジャンルの境界を越えて駆け巡る。 四ッ谷龍 冬野虹: 1943年、堺市に生れる。ジャンルを越えてさまざまの言語表現を試み、また美術表現においても数多くの作品をのこした。俳句で「鷹新人賞」を受けるなど、多くの表現者から高い評価・支持・期待を集めたが、2002年に急逝。既刊句集に『雪予報』。 |
俳句・詩・短歌・物語・歌詞など、冬野虹言語表現のほぼ全貌を捉える作品集成
言葉の境界領域を軽々と越えて、広い言語領野を飛翔する作品群──
光とともに孵化する作品群──
8580円(本体7800円+税、分売不可) 編集=四ッ谷龍 装幀=間村俊一 ISBN978-4-87995-914-0 C1092 \7800E
ヴィクトリア──英国女王伝 本書は、ヴィクトリア女王個人と社会・世界を同時に照射して、人間と時代を巨大なタペストリーに織り上げた言葉の宇宙である。星の凝視の遊行詩人、面目躍如の書をお届けする。 藤本真理子 イーディス・シットウェル 1887-1964。英国の代表的現代詩人・文筆家。T.S.エリオットと併称される詩人としては、もっとも衝撃を与えた詩集『黄金海岸の風習』『原子時代の三つの詩』のほかに、ウォルトンの音楽とともに舞台で朗読されさんざんな不評を買った実験詩『ファサード』、『田園喜劇』『眠れる美女』『街の歌』『薔薇のカンティクム』その他があり、邦訳詩集『惑星の蔓』『凍る℧』に多くの作品が訳出されている。評論に『アレグザンダー・ポープ伝』、エッセイに『英国奇人伝』などがある。 |
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技術変革と人類の進歩を信奉して希望のきざしはじめる世紀。その時代を形づくり、混迷もし悲嘆苦悩もする幾多の人々。その中を生き抜く一人の女王、一人の女性、一人の人間。そして時代をともにした数多の人間たちの懸命の生──歴史評伝文学の最高峰。
ヴイクトリア(英国女王 :在位1837-1901)──国民は女王の中に、苦しみ悩む一人の人間を、自分たちと同じ法則に従い、同じ愛、同じ希望と恐怖に囚われている人間を今一度見たのだ。(本文より)
四六変 432ページ 3850円(本体3500円+税) 装幀=菊地信義 ISBN978-4-87995-910-2 C1097 \3500E